Q3 物語独自の設定にこだわりはありますか?



 ちょっと遠出していて間が空きました。

 父や兄弟と一緒にミュージカルを観に行ってきたんですけど、父が一番気に入ったようです。歳をとっても多趣味に生きたいわ~。


 それでは再開します。Q3

 自分が一番書きやすいジャンルは現代ファンタジーだと思っています。

 SF……藤子・F・不二雄先生のS少しF不思議、日常の中にある非日常が大好きで、幼い頃からそんな物語に触れて来た影響もあるでしょう。なので、現代社会の裏側で古代の未確認生命体とかがドンチパやっているのが大好きです。

 日常の中にある非日常、『BOOK』もそんな少し不思議な世界が舞台です。

 百冊の【本】に選ばれた100人による1年間のバトルロワイヤル。最後まで勝ち残った者には、『竹取物語』のかぐや姫からご褒美の優勝賞品が授けられます。

 何故、『竹取物語』を重要な物語にしたか? 理由としては、日本最古の物語とされ、作者未詳なミステリアスなところから。

 でもちょっと待って、世界最古に『ギルガメシュ叙事詩』とかあるよ……?

 近年のサブカルの盛り上がり的にギルガメッシュを召喚しても面白そうですが、二つの物語には決定的な違いがあります。それは、不死があるか否か。

 かぐや姫が与える優勝賞品は、不老不死です。物語中に帝に献上した月の国の薬=不死の薬から転じて、人類最古にして最大、最高の夢である不老不死が実現されています。

 ギルガメッシュは不老不死を求めたが見付からず、けれどもかぐや姫は不老不死を日本にもたらした。

 と、もっともらしく語っていますが、一番の理由はやっぱり分かりやすいからですね。一般の知名度はギルガメッシュよりかぐや姫(のはず)。みんなが知っている物語から創造される最高の夢を求めて、様々な思惑と欲望が交差するのが『BOOK』の世界です。

 50年周期で行われる不老不死を求めた物語バトルロワイヤル。

 1970年代の過去編では蔵人が勝者となりましたが、彼は不老不死を望まずに物語冒頭で急死しています。

 21世紀、二回目の東京オリンピックも終了した時代の現代編では、前回にて蔵人が手に入れた『竹取物語』をよっくんが手にした事で、孫の彼も不老不死を巡る1年に巻き込まれて行きます。


 以下、ルール箇条書き

・この世界には、不思議な本がある。朽ちない、汚れない、焼失しない、色々な物語の白い装丁の本がたくさんある。


・普段は少し不思議な本。だけど、50年ごとに行われる不老不死を巡る1年間だけは魔法の如き能力が宿る。


・いくつもの中から選ばれた百冊の【本】と、【本】に選ばれた人間によってバトルは始まる。

※優勝賞品が出て来る『竹取物語』だけは毎回必ず参加。昔からある物語の方が参加率も選抜率も高い。


・選ばれた【本】が手にすべき人間を選ぶと、裏表紙の物語モチーフの紋章が現れる。この紋章が能力の源であり、これを奪い合う。


・最終的に、百個の紋章を集めた者が勝者となる。


 で、どーやって本でバトルするのよ? しかもほとんどがおとぎ話よ?

 不思議能力の設定や使い方は、本編の4話でよっくんがノートにまとめていますので、そちらをご覧ください。露骨なステマです。

 人間の想像力次第で、火鼠の衣をモチーフにしたハリネズミを召喚したり銀河鉄道を創造したり、「このはし渡るべからず」の看板が立てられた橋の場面が展開できたりします。

 おとぎ話バトルロワイヤル的な背景で、1月14日現在で4月の半ばまで進んでいますが……この質問でちょっと考えてみたんですけど、この発想ってどこから来たんだっけ?

 3~4年前から『BOOK』の元となる設定をメモっていたんですが、一体何が切っ掛けで書こうと思ったのか、設定は何かに影響されたのか? 何がどうだか全く思い出せない!

 恐らく、学生時代に嗜んだ『月光条例』や『MÄR』などの物語モチーフの作品にも影響されたのでしょうね……。

 人間って過去に見聞きした事を無意識に反映させちゃうそうなので、色々混ざってポンって出て来てしまったのかと思われます。

 考え直してみたら根源がサッパリ分からなくなっていましたが、不老不死バトルの設定やルールは今後もどんどん追加……というか、明らかになって行きますし、50年前に何があったかもこれからどんどん情報が追加を追加していきたいので、何とかやっていこうと思います。


 ちょっと多くを語ってしまいましたが、Q3終了です。






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