はぐれた夢

勝利だギューちゃん

第1話

群れを離れた俺は、ひとりになった。

寒しくはなかった。

むしろ、すがすがしかった。


俺は、元来群れるのを嫌う、というか、馴染めない。

1人が性に合っている。


なので、孤独という境遇に感謝した。


俺は空を見上げた。

とても、広かった。


集団で行動をしている時は、気がつかなかった物が、

見えてくるようになった。


風のささやき、鳥の声、川のせせらぎ・・・

自然というのは、こんなにも愛おしい物だったのか・・・


夏の太陽は、暑いが、それも自然。

冬は寒いが、それも流れ。


「もう少し、早く気がつけばよかった・・・」

俺は、後悔した。


後は振り返らない。

昨日の事は昨日に置いてきた。


今日の事は、明日に持ち込まない。


少しでいい、昨日の自分を超えよう。


「すいません」

女の子に声をかけられた。


「あなたも、おひとりなんですか?」

「ええ、1人です」

「よろしければ、私と行動しませんか?」

その女の子は、とてもかわいい。


普通なら、ついていくかもしれない。


でも、俺は断った。

「1人が好きなので・・・」


女の子は、残念そうに去って行った。

でも、これでよかった。


せめて、生ある限りは、この自然が消えない事を祈ろう。

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はぐれた夢 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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