paper plane

窓の外に映る景色


かもめが真っ青な空を横切る


街は私を置いて活気づいている


煙突から吐き出される雲もどきは


ほとんど止まっているよう


今日も詩を書いた


やることがないから


詩を紙に書いては少し恥ずかしくなり


ポケットに隠した


丸くして上着にズボンに


他の上着やパーカーの中に


だけど、今一度それを広げる


ざっと、100枚くらいの紙を


一つ一つ折り、空へと飛ばす


誰かの手に渡るだろうか


感銘を受けるだろうか


くだらないと捨てるだろうか


怒り出してしまうだろうか


事の顛末を私は見届けたいが


私の体はたった一つ


私は神ではない


だから、きっと


届いた人達は


大事に心にしまっておいて欲しい


欲しいな


そうこうしているうちに


これが最後の1枚だ


それでは、この詩の世界は


一旦おしまい

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詩集ポケット Lie街 @keionrenmaro

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