喪失感

穴が空いている


心の奥よりもさらに奥から


ふと、悲しみが手を伸ばして


僕の心をマグマに溶かしたのだ


穴が空いている


心があったはずの場所には


何も無い。けれども


熱い。心かは分からないけど


胸が熱くて、やるせない


晴れた空からは雨が降る


僕を濡らして走り去る


あの日の二人みたいだ


雨が降りしきる商店街


ゲーセンの前でキスをした


深く深く抱き合って


それは、純粋無垢な愛だった


どこまでも透き通っていて


その愛の両端から美しき2人が


目配せをしている


なんの意図もなく、それでも


2人は何かを理解したかのように


同じタイミングで笑うのだ


この絵を飾るとしたならば


額縁はきっと赤にするよ


この絵を表現するのには


派手すぎるくらいがちょうどいい


じゃないと、忘れてしまいそうで


怖いから

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