切なさ車両

会えた喜びと失う悲しみを


真夜中のホームでぶつけ合う


あなたと出会わなければ


こんな思いにはならなかったのか


出会えたからこそ分かち合えた悲しみ


それが無ければここにいなかった私


終電は夜の寂しさを乗せて走る


いっその事家に着かずに


私を宇宙へ連れ出してください


月の向こう側へ連れ出してください


所々に灯る明かりが、静かに瞳を濡らしていく。


うつむいては落ちる雫に


胸が痛いくて、あなたがチラついて


どうしようもない気持ちを抱え


儚いまでの想いを抱え


夜中の焦燥と共に闇の中へと溶ける


泣き虫な女を笑ってください


あなたがいなければ歩くことすら


ままならない


心は何かを欠落させてしまっている


それを、涙で埋めようとしてしまっている


心臓の真ん中に穴が空いている


あなたとの日々の中で塞いだ穴が



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