詩集ポケット

Lie街

透明な

僕は見えない


あなたには


だけどあなたはそれでも笑う


僕に触れれば全て無色透明にしてしまう


なのに、あなたは触れたいという


ダメだよ。見えないは怖い


見られないは怖い


触れないのは苦しい


だから…


あなたは僕の頬に触れ


そのまま口付けをして


あなたの色が落ち行く中で


口角を上げて言った


「それでもいいわ、君となら怖くない」


あなたも声だけになった。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る