その2 男性同士雑談中
露天風呂は賑わっている様子。
元々建築クラブの女子は副顧問で工学部助手の門山先生と稲森先輩しかいない。
でもこの家に元々いる真理枝さんと亜理寿さん。
休みには常駐している摩耶先輩と
ボイラー設置その他をやったイライザ先輩とアンドレア先輩。
更に家の外に出られないはずの美鈴さんも『工事したからには家の一部分』という事で入浴中。
おまけに美智流先輩までわざわざやってきている状態だ。
そんな訳で現在、続きにした十六畳間で教授を筆頭に建築クラブの男子学生三人と僕との男子五人で時間つぶしをしている。
暇なので人生ゲームをやりながら会話中。
「女子ばかり入浴なら本当は覗こうという話が出るところなんだけれどな」
「確かに可愛い子も多いけれどさ。それ以上に怖い方がいたりする訳だ」
「門山くんの他にも怖い女子がいるのかね」
「一人と言わず何人かいらっしゃいますね」
三年の川戸先輩が口を開く。
「ほう、例えば」
「先程車でやってきた理学部の嵐山先輩とか、ボイラーをやっていたイライザ先輩とか。医理大踏まれたい女子コンテストって知っていますか」
「ああ、学園祭でひっそりやっている奴だろう」
教授は知っていたようだが僕は初耳だ。
「その通り本人達には内緒で男性学生有志で投票と集計をやっているというアレ。そのベスト一〇に選ばれたうち四人がそこにいる」
「門山君の他に誰が入っているんだ?」
門山先生ってそんなに怖い方なんだろうか。
「先程言った嵐山先輩とイライザ先輩、あとは三年の摩耶さんですね。あとイライザ先輩の妹で今日も来ていたアンドレアさんが十二位です」
なるほど、何か頷けるものがある。
「他にはどんな方が選ばれたんですか」
「数学の山井先生、薬の宮苑先輩、同じく薬三年の牧田さん、医三年の深川ちゃん、医二年の仁那さんにあと一人誰だっけ」
「医の袴田先輩ですね」
何か知り合い率が妙に高いような……
ただ疑問はある。
「医学部の深川先輩はタイプが違いませんか」
「あのロリロリツインテールな姿で踏まれつつ言葉責めされたいという意見が多くて……」
なるほど。
言いたい事はわからないでもない。
「でもあのコンテスト実行委員会って、毎回秘密でやっているんだろ」
「そうらしいな。見つかると本人達に酷い目に遭わされそうだしさ」
「でも本人達はそれも本望なんじゃ無いか」
「かもな。何せ普段女子いないし」
「うちの稲森ちゃん可愛いけれどさ。それと門山先生くらいしか普段あわねー」
「俺は線形数学ダブったから山井先生と毎週会えるぞ」
「授業じゃんそれ」
なんだかな。
でもうちの科も大学でのノリはこんな感じだ。
「それにしてもこの家、うちの大学で貴重な女子が随分多くないか」
あ、話題が僕に来た。
ちょいまずいかな。
「最初に抜田先輩に部屋を貸したら、その知り合い繋がりで畑を貸したり山を貸したりする事になって結果こうなりました。露天風呂もサバゲー後とか畑作業後とかに入りたいという希望があって、稲森先輩とイライザ先輩が作ろうという話になって」
「確かに露天風呂なんて作る機会無いしさ、なかなか面白かったからいいけどな」
「あと稲森ちゃんが作った奥の竹小屋、あれいいよな」
「露天風呂にあれの小型版を作るしさ、まだ遊べるぞ」
「その間に誰か女の子とお知り合いになれるといいな」
おいおい。
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