第11話 女子団体戦1回戦
ここは代々木の体育館。渋谷区女子の剣道大会が始まる。
「渋谷高校剣道部! 絶対に勝つぞ!」
「おお!」
楽子たちは円陣を組み気合を入れる。
「久しぶりね。渋谷高校剣道部の諸君!」
そこに他校の一団が現れる。
「誰だっけ?」
「あのね!? 恵比寿高校剣道部よ! 私たちは恵三姉妹! ラブリー!」
「メアリー!」
「ユウリー!」
「メグミルク三割引?」
「違うわい!? 今日はこの前の様にはいかないわよ。こっちにも秘密兵器がいるんだから。覚悟していなさいよ!」
去って行く恵比寿高校剣道部に第四の選手が加入していた。
「嫌な予感がするわ。さっさと試合を進めてしまいましょう。」
栞の嫌な予感はよく当たる。
「それでは渋谷高校と道玄坂高校の試合を始めます。」
「よろしくお願いします。」
渋谷区高校剣道大会女子団体戦が始まった。
「おら、強い相手と戦えるのドキドキするぞ。ドキ。」
「ドキ子、あんたはスーパーサイヤ人か!」
「何なら逆さ頭に金髪にするよ!」
「我々をXジャパンにするつもりか? ドラム叩き過ぎで首を痛めるの嫌よ。」
「ええー!? いいじゃない。お菓子がいっぱい届くわよ。」
「もぐもぐタイムだ!」
「それいい。いただき!」
「おいしいダージリンティーを私がいれて差し上げましょう。」
和気藹々とした渋谷高校剣道部員たち。
「じゃあ、行って来るわね。」
「楽子、がんばって!」
「アンディとの愛の力で勝ってみせる!」
先鋒は主将の猿野楽子である。
「もしもし教育委員会ですか、渋谷高校のアンディ先生が女子生徒にお金を渡してイチャイチャしています。早くクビにしないとマスコミの餌食になりますよ。」
山男は教育委員会にチクっていた。多くの場合は本人、保護者だが、校内恋愛はクラスメートや生徒が妬みや嫉妬でチクってバレることが多いらしい。
「それでは、前へ。はじめ!」
「でやああああああああ!」
渋谷高校剣道部の初戦が始まった。気合の入った楽子は調子に乗って突進する。対戦相手は道玄坂高校剣道部員A。
「一本! それまで!」
「負けちゃった。しょぼん。」
そう簡単に上達するものではないの楽子はすぐに負けた。
「ドンマイ!」
「楽子ちゃんの敵はドキ子がとってくるから任せて! ドキ。」
次鋒戦、ドキ子と道玄坂高校剣道部員B。
「はじめ!」
「でやああああああああ! ドキ!」
次鋒戦が始まり、ドキ子は相手に竹刀を振り回す。
「一本! それまで!」
「負けちゃった。ドキ。」
ドキ子も剣道初心者なので弱かった。
「素晴らしい! たいした尺も使わないで、私たちの出番ね!」
「まさに3番バース、4番掛布、5番岡田って感じ。」
「そういえば、私まだ竹刀を振るったことが無いかも?」
栞、泪、結の魔法少女三人組である。団体戦は強い者が三人いれば優勝できるのが既定路線。
「栞お姉ちゃん! がんばって!」
「カワイイ怪獣ちゃん! 勝利の栄光を君に!」
青春って、感じ。
「はじめ!」
「そういえば道玄坂に大家さんのおばあちゃんのビルに美味しいラー面!」
「一本! それまで!」
「屋さんがあったような。あれ? 終わってる。出前でも頼もうかな?」
中堅戦。栞のギャラクシーな一撃が道玄坂高校剣道部員Cの面をとらえた。
「やったね! お姉ちゃん!」
「ありがとう! 怪獣ちゃん、渋谷軒にラーメンの出前をよろしく。」
「OK。もしもし、渋谷軒ですか? 谷子です。え? オレオレ詐欺? 違います!? 大家さんの孫の谷子ですってば!?」
谷子はラーメン屋の渋谷軒に出前を注文する。
「どういうことよ!? 1話1500字の小説でも、15分アニメでも尺が足りないじゃない!?」
「いいじゃない。おかげでゆっくり朝食が頂けるんだから。」
もちろん泪と結は余裕で勝った。渋谷高校剣道部は順当に勝ち進んだ。
つづく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。