第2話 準備
ここは職員室。
「アンディ! 剣道部の顧問になって!」
猿野楽子たちは剣道部を作るために職員室の安田東先生、略してアンディの元を訪ねていた。
「嫌だ!? なんで俺がならなければいけない!?」
アンディは無駄な抵抗をする。
「カワイイ生徒のお願いじゃない! 聞き入れなさいよ! 谷子ちゃんからもお願いして!」
「え? 私ですか? よろしくお願い致します。」
谷子は丁寧にお願いをした。
「カワイイ怪獣ちゃんが頼んでるだろうが! 頭に土星を落とされたいのか!」
谷子の双子の姉、栞は土星を落とすと脅迫した。ちなみに怪獣ちゃんとは、妹の谷子のことである。
「原子爆弾の発射準備をお願いします。場所は職員室でお願いします。」
泪は自衛隊に電話する。
「もうすぐモーニングが終わってしまう!? 早くしてよね!?」
結は朝食のことしか考えていない。
「新しい土器を発見したぞ! ドキキー!」
ドキ子は騒がしいだけだった。
「分かった!? やるから命だけは助けてくれ!?」
アンディは陥落して、剣道部の顧問を引き受けた。
「やったー! これで剣道部の誕生だわ!」
渋谷高校剣道部が正式に発足した。
「バスケは安西、剣道は安東、ついに俺の時代がやってきた! ワッハッハー!」
アンディは意外と乗り気だった。
「ところで猿野、剣道部を作るのはいいが、稽古場と剣道着と部員はどうするんだ? うちの学校に新設の部活動にくれる予算はないぞ。」
今時の高校はケチだった。
「剣道の稽古場よ! できろ! エル・エル・エルメス!」
栞は魔法を唱えた。学校の屋上に剣道部の稽古場が出来た。壁にはほんのおねえさんのポスターが大量に貼ってある。
「剣道の装備一式よ! でろ! ルイ・ルイ・ルイヴィトン!」
泪は魔法を唱えた。メンバーの剣道着が現れた。泪の剣道着はミリタリーカラーの剣道着だった。
「まだ間に合う! モーニングセット! お願いします! ティファ・ティファ・ティファニー!」
結は魔法を唱えた。優雅な朝食セットが現れた。結は朝食をこよなく愛する。
「女子剣道部は、谷子ちゃん、楽子ちゃん、栞、泪、結、そして主将のドキ子の6人です! ドキドキ。」
こうして渋谷高校剣道部女子は好調なスタートをきった。
「剣道部の男子は作らないのか?」
「今、代官山男が勧誘活動しています。」
少しだけ代官山男の部員勧誘活動を見てみよう。
「剣道部に入ってくれ!」
「アニメ研究会。」
「スマホ部。」
「ママ活部。」
「JK出会い系部。」
「ストーカー部。」
「渋谷の男子高生は変態ばっかりか!? こうなったら個人戦に出場して、楽子にいいところを見せるんだ!」
代官山男は一人で男子剣道部をすることになった。剣道の団体戦はメンバーが5人いる。いないので個人戦しか出れない。またの名を、ボッチ戦。
「おお! 練習試合が決まったぞ!」
「なんという急展開!?」
「今の時代、ラインやツイッター、インスタグラムに投稿すれば、直ぐに拡散するのだ。ワッハッハー!」
「別におまえは偉くない。」
悪乗りするアンディを誰も褒めない。
「対戦相手はどこだ?」
「恵比寿高校だ。」
渋谷高校剣道部の初陣は恵比寿高校に決まった。
「なに!? あの剣道の強豪の恵比寿高校!?」
「おまえ、恵比寿高校剣道部を知っているのか?」
「知りません。ついノリで。」
「なんじゃそりゃ!?」
笑って誤魔化す楽子。
「いいか、恵比寿高校には、恵三姉妹がいる。」
「恵三姉妹!?」
「恵三姉妹は個人戦でも渋谷区では強者に入る。日本人とフィリピン人のハーフでモデルもやっている美人三姉妹だ。」
この検索時にゴチに出ている、ジャニーズのナカシマはフィリピンのハーフと初めて知る。
「大丈夫です! こっちにも渋井一族がいますから! ワッハッハー!」
この時、泪と結の名字も渋井に決まった。遠い親戚でいいじゃない。
つづく。
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