ITOIFAMILY
黒宮涼
イトイファミリー
プリン
最近、冷蔵庫に『ひさし』と書かれたプリンがある。容器に油性マジックで大きく書かれている。
その日も久々梨が冷蔵庫を開けると、それが目に入った。
昨日と位置が微妙に違うように思える。
久々梨は冷蔵庫からヨーグルトをとりだし、後ろを振り返る。
「うわっ」
久々梨は驚いてこえをあげる。
いつからそこに居たのか。
兄の久志が不服そうな顔で立っていた。
「なんで? なんで、久々梨はプリンを食べてくれないの」
「は? だってお兄ちゃんの名前が書いてあるから……」
「食べていいんだよ。食べてくれたら、久々梨! 俺のプリン食っただろ! 食べてないー。嘘だ! 絶対食った。ホントに食べてないってば。じやぁおまえの口についているものはなんだ! はっしまった!ごめんお兄ちゃんゆるして! というやり取りができるのに!」
わざわざ一人二役しながら、久志は言った。
「お兄ちゃんごめん。絶対に食べないようにしようと心に誓いました」
正直、どんびきした。
【ククリメモ】
お兄ちゃんの中で私のキャラはどうなっているのだろうか。
【人物紹介】
糸井久々梨(14)
身長150㎝
妹属性。物静かな性格。よほどのことがない限り心を乱さない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます