ツァイガルの日没
@RTX2060
0.
―――安定した人生とはなんだろうか?
敷かれたレールの上を、何一つ疑問に思うことなく、機械のように進んでいく。
それは決して悪いことじゃないだろう。
決められた道といえど、運が良くなければ勝ち取れない。
運とは何か。
まずは、親だ。
子は親の背中を見て育つというように、幼少期の人格などは、親が基準になる。
ネグレクトや虐待などを受ければ、世界が閉ざされ、殻にこもるだけになり、外を見ることすら諦める。
物差しの基準は、すべて親から譲り受けるのだ。
その次に、環境。
お金がなければ、教材を買うことも、塾に通うことすらできない。
一人でやるにしたって、限界は見えてくる。
まれに、鳶が鷹を生むなんてことがあるかもしれないが、自分自身もそうなれるかもしれない、なんて思っている時点で諦めた方がいい。
つまるところ、安定した人生というのは。
親がよくなければ、環境がよくなければ、決められた道すら歩かせてもらえないのである。
ひたすら努力して、ようやくその先に立ったとしても、そこからまた、別の道のスタートラインが始まる。
周りから煙たがられ、疎まれ、そんな中をくぐらなければならないのは、地獄以外に何と呼ぶだろうか。
その頃のオレは、何も分かっちゃいなかった。
そして、今も―――。
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