最終話 これからも

 昼下がりの公園、老夫婦が仲良くベンチに座り休んでいた。

「そろそろ帰りますか。おじいさん」

「そうだな帰ろう。お腹もすいたしな」


 これまでのことに思いをはせ、また歩む。一歩一歩は小さく短いが長く続ければ道にもなる。その道を歩むものはいないけれど、それを見届けるものはいるだろう。

「あ、そうだ。たまにはレストランでも行きませんか?」

「行こうか。たまの贅沢も悪くはないだろう」


 長く長く続きこれからも続く二人の道に幸福は続くだろう。祝福を受け続けるだろう。

「これからも一緒にいましょうね」

「なんだ急に、当たり前じゃないか」

「すみません。なんとなく聞きたくなったんです」


 死が二人を分かつまで。生きる限り道は続く。


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