第四話 通学路

 朝の5時、起き掛けに準備を始める。

子供たちの登校を見守る。年をとって朝早く目が覚めるようになった私の私の日課だ。


「おはよう」

「おはようございます。今朝も早いですね、散歩ですか?」

「ああ、万が一の時体が動かなくては困るからな」

 数時間早く起きて散歩をする。そうすると朝のジョギングをしている人と会話するようになった。孤独な老人にはありがたい時間だ。


「いただきます」

 散歩の後、朝食を食べ体調を整える。最近は食が細くなって食べる量が減っているが少しずつでも食べて栄養にする、健康の秘訣だ。


「行ってきます」

 家を出る前に仏壇に挨拶をしてから出る。死んだ妻は極楽から見守ってくれているはずだから。


「おはようございます!」

「おはよう」

 子供たちが横断歩道を渡っていく横で旗を持って待つ、車からは子供たちが見えにくい為注意を促す意味がある。近年通学路に車が直撃する事件があったばかりだ気を付けなければ。


「今日もご苦労様です」

「いえいえ、趣味みたいなものですから」

 万一の為巡回していた警察官の方と話して、見守りが終わる、今日も何事もなく良かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る