外つ国ふたつめ

色褪せた写真に覚えはない

覚えはないが写っているのは私だ

写真立ての飾りを見ると

木製で『GUAM』と書かれ

小さくヤシの木が彫られている

写っているのは幼い私と親と

覚えていないことに

落胆をし、同時に安心する

良い思い出だったのかと予想するほど

いい気持にならない

恐ろしくなるほどだ

抱き上げられている私は笑っている

親も笑っている

これが嘘か真か、今は知るすべなし

一生、知らなくていい事だ

私と親

何も覚えてないし

何も思い出したくない

折角の外の国だったのに

私の記憶にハワイはない

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