ハンデ付き再対局
@tsukishiro_sun
第1話
焦燥感に包まれながら、暗くなった街を歩く。
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何にも手がつかず、けれど、何か気がまぎれるものを探す。そんな日々が続いた。
この一週間、すぐに手を出せて、それも家から出ずにできることーー詰碁や詰将棋の本を小学生ぶりにクローゼットから引き出して解いてみたりした。
そんなことをしても、すぐに気がまぎれないことに気づいて辞めた。
家にはもう何もない、外に買い出しにいこうと外にでた。
外に出て、向いのコンビニに行こうと道路を横切ろうとしたら、車にはねられた。
その直前に「人生そんなもんなんだな」と思った。よけれないし、よけられない。
そう思った記憶があるということは、生きているということだ。
今、自分の目線の先には天井がある。目線を横にやるとカーテンがある。
自分の身体に目をやると、目立った傷がない。おかしい。
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