第26話 情報編集権についての覚え書き

 司令官は、部下の意見から良い意見を選んで、自分の意見として発表するので、司令官は良い意見をいうと過大評価される。しかし、実際には、司令官の意見が採用される頻度は、部下たちとあまり変わらない。

 平等思想を前提とした人々にとって、司令官はただの連絡役である。

 司令官は有能なものがなっていることが多いが、有能な部下を集めているならばたいてい、部下たちの出す意見と、司令官の出す意見の採用される頻度はほとんど変わらない。

 くり返すが、司令官が良い意見をたくさん出すように見えるのは、部下の意見から良い意見を選んで提示しているからであり、司令官の知性が逸脱しているわけではない。

 しかし、司令室というものは、組織の良い意見を探し出す複雑な情報処理組織であることもあるが、わたしはそういう司令室についての知識はあまりない。

 さらに、情報編集権では、追認が重要である。情報は、それに手を加えなくても、ただ追認しているだけの情報編集者が大勢いる。数十人から数百人が情報を追認する。追認するものは、その情報を拒否することができる。この場合、情報の流通を遮断できる追認を有効な追認と呼び、情報の流通を遮断できない追認を無意味な追認と呼ぶとする。追認の仕組みは難しく、追認の仕組みは、もっと研究されるべきだ。

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