前を向いて

勝利だギューちゃん

第1話 心

僕はぼっちだ。

彼女はもちろん、友達もいない。


家族との縁も薄く、会話がない。


文字通りの、ぼっち。


そんな僕にも、ひとりだけ心を許せる相手がいる。

瀬里(せり)と言う名の女の子・・・


いつ、どこで、知りあったのかは、わからない。

でも、今ではいつも、僕そそばにいてくれる。


イマジナリーフレンドでも、2次元でもない。

リアルに実在する女の子・・・


ただ悲しい事に、夜の6時になるといなくなる。

そして、朝の7時にはやってくる。


とても、不思議な女の子。


「○○くん、おはよう」

「おはよう、瀬里」

「今朝は、気分はどう?」

「まあまあかな・・・」

「相変わらずだね」

「まあね」

こう言ったやりとりが、続く。


家族は、食事だけ僕に与えて、後は無関心。

なので、瀬里の事は、気にも止めない。


まあ、気にされたら困るが・・・


瀬里とは、学校が違う。

見た事のない制服だが、女子高生には間違いない。

瀬里は、僕が出かけるのを、見送った後で出かける。


そして、帰宅した後には、既に僕の部屋で出迎えてくれる。


気にならないと言えばウソになる。

でも、どうでもよかった。


僕が、心を開ける友達が出来たのだから・・・


いつまでも、この関係が続けばいいと思っていた。


でも、その日は突然やってきた。

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