平成の音楽遺産を書き連ねる

判家悠久

第1話 MISIAとスウィング

平成最後の『第69回NHK紅白歌合戦』見られましたか、まあ最後の最後で良き事結構有りましたね。個人的には、ただMISIAに尽きます。


最新曲「アイノカタチ」に続いてはまさかの「つつみ込むように…」。そう来るかですよ。衣装もハイセンス、バンドも絶好調、あの懐かしきMVダンスのダンサーのタメもフリーも楽し過ぎる、何よりロングトーンの果てのシャウトは、テレビ通じてもザッツ・エンターテイメントそのもの。

もう来年の紅白は、MISIAvs白組の百人組手で構わないと思います。紅白無理でもフェスか何かで楽しく出来ませんかね。


そう、テレビでは伝わり切れない調音・音質・グルーブがどうしても有ります。それをMISIAは敢えて、ボーカル技量をさらけ出しエンターテイメントに昇華しています。今の時代、やり過ぎ位で丁度良いのですよ。


まあMISIAファンなら何を今更でしょうけど、ライトファンであった私はMISIAのCDの音源也ケーブルテレビでライブ映像見ましたけど、派手なのですがストイックな印象が強く、聴かせに徹していたので、やや構えていました。

それがこの紅白に至っての心境の変化は何でしょうね。この先の記事も追いかけないといけませんね。



そして、表題のスウィングですが、音符が跳ねるスウィングです。

スウィングと言えばジャズでしょうけど、「つつみ込むように…」の発表年度は1998年で、DTMが漸く馴染み始めた時期でも有り、サンプリングドラムキットをPCコントロールで跳ねさせる事が容易になりました。

敢えてサンプリングドラムキットなのですよね。海の向こうでは未だフレーズサンプリングが主流なので、玄人も素人もその激しいスウィングに歓喜です。コンポーザーの島野聡さん本当凄いですよね。


ですが、そのスウィング功罪ですけど。

良い点は、同時期のハウスミュージックもDTMでスウィング傾向だったので親和性が良かったりで、MISIAのハウスmixがすんなり聞けるのもそれです。

やや難点では、同時期に島野聡さんの手掛けていたS.E.S.も相似たりと、MISIA色とは?との命題も見受けられました。それ以降はコンポーザーの変遷も有り、全部スウィングするのではなく、ここぞと言う所でスウィングを使用する傾向に落ち着きます。

それ故に、平成の最後の紅白でオールスウィングの「つつみ込むように…」で撃ち抜かれたら、初期のMISIAを知らない世代はかなりの衝撃の筈です。アーティストのキャリアハイを越える瞬間を見れるのは本当貴重ですよ。



自ら振り返り、今でこそMISIA全アルバム聞ける余裕出来ましたけど、当時としては高いCD買う余裕も無く、会社で管理職が帰った後の、若手の音楽会はブレイクアルバム「Mother Father Brother Sister」がヘビーローテーションでした。深夜まで仕事続くけど頑張るよ私とただ奮起です。



そう紅白。もう何度もHDR見返しては、不意に涙してしまいますね。10代の感性の曲そのままに今の技量で歌い込めるなんて、プロとかディーバとかそんな縛りでは画面の向こうに届かないですもの。私達はMISIAがMISIAたる、余り有る技量で持って感性に訴える、歴史的瞬間に立ち会えて、ただ幸せにつきますね。




■【公式】MISIA - つつみ込むように…

https://youtu.be/JeYJnSuYgrs @YouTubeさんから

wikiで元EXILEのMAKIDAIさんがいるとか見たので、タイトな振りの右端ドレッドの方かなと思ったら、正解みたいです。

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