第14話 再会

あの日あの時起こったことが全て頭のなかを駆け巡った。忘れかけていた。夢だと思っていたもの。


私はくるりと後ろを振り返る。


……


「ごめん」


申し訳なさそうに謝った。


胸の高鳴りが止まらない。

多分今まで生きてきた中で一番豪快に鳴っている。


いやそんなのどうでもいい。


それより今物凄く申し訳なさそうに謝った男の子が目の前にいる。見覚えのある服装、パサついた黒髪。少し低い、透き通った声。暗闇の中ではその位のことしかわからなかったが、あなたは、


「サキ」


「今日は気付いてくれた」


私の唯一の、友達。


私の頬は涙で濡れて、、いや、「その前に」

サキを見ながら


「どうして、いるの?」


沈黙の後


「よくわかんない」


と言われた。


いや、私もわからない。


何なんだこれは、私はまた夢を見てるのか?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る