第6話


舞ヶ原。


看板にはそう書いてあった。ちなみに一つ前の駅を指す矢印には『おおよど』、1つ先の駅の方には『よすみ』とあった。


やはり分からなかった。でもまあ、記念に写真でも撮っておくか。携帯を取り出してカメラ機能を開く。駅の看板と風景をぱしゃり。


うん、よく撮れた。何故か観光気分だけど。

そう言えば「終点の駅についたら、速やかに改札を抜けること。そしたら君が行くべき場所に行けるよ」と言われたのを思い出した。

最早誰に言われたとかは覚えてないけど。


やっと着いた終点。まだ完全に帰ってきた訳では無いけれど、もう9割帰ったようなものでしょ。


ふふ。


笑みが零れた。誰が待っているのか、何があるのか。私は改札の切符投入口に切符をいれた。




そのあとの事は断片的で、

すごくスローモーションだった。

焦って少し下を向いて、


顔を上げたら。







「マイガハラさん?どうされました?」


待っていたのは看護師だった。

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