第2話


来世に行くのかこの世に戻るのかは、聞かれる前からすでに決めていた。と思う。


多分私はこの若さで、事故か事件かに巻き込まれたんだ。それはさすがに虚しすぎた。きっとこの世に戻れば心配してくれる人がいる。はず……。

と言いつつも、私は生前の記憶が全く無くなっている。だが今の私はこの世に戻ることしか考えていない。


そう考えていたら、灯りがついているコンビニのような店を見つけた。入ってみようかと思ったけど「寄り道はしちゃダメだよ」って強く言われたから、やめた。

……


ん?


誰にいわれたんだっけ?

……まあいいか。




お店を過ぎて少し行くと信号があった。


確か「信号を左に曲がってまっすぐいったら駅に着く。駅に着いたら切符を買って、電車に乗るんだ。どこまでの切符を買って、どの電車に乗るかは、きっと分かるはず。間違えちゃいけないよ」と言っていた。

この信号のことだ。私は左に曲がってまた歩いた。



結構長く歩いた気がする。途中で看板を見つけたりしたが、何が書いてあるかはよく分からなかった。クリアでないというか、朧気な様子だった。空を見ても星一つとして無い。吸い込まれそうだ。

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