紙日記 10月2日(リライト版)

紙日記 10月2日(リライト版)

 わたしは、生まれつき、クリスチャン(プロテスタント)。最近、それについて、

 思うことがあった。別にたいした話じゃない。宗教の話である。

 炎上するかもしれない。それにリアルに重いから、ブログ向きじゃないんだよな。

 興味のない方は、読まないように。


 プロテスタントというのは、3つポリシーがあって、

 「聖書のみ 信仰のみ 恵みのみ」

 というのがスタンスだと言われているらしい。

 その、ポリシーのひとつである『聖書』とわたしの関係について、

 創作をしていく上で、芽生えた認識がある。


 それは、「聖書は神の言葉だが、

 同時に 『本』 である」

 という、わたしの信仰上の発見である。

 こういうことを書くと、なにをあたりまえなことを、

 と思う人もいるだろう。

 でも、わたしは聖書を神の言葉と思っている。

 そもそも、聖書が神の言葉、と言う定義に、

 アレルギーを起こす人もいる。

 

 聖書は自分で、自分の文章は神の言葉だと主張しているに過ぎないから、

 信じてない人には、戸惑いや、反発もあるだろう。

 押しつけを感じる人も、いるかもしれない。

 実際に聖書を読んでみて、

「外国人の名前がぎょーさん並んでて、

 けっきょく、異国の神さまの宗教ね」

 と言う人も、いるだろう。

 さて、仏教はどうか。

 仏教も、外国の宗教だが、日本人にはそれほど、アレルギーはないように見える。

 お釈迦さまだって、外国人なのに、日本人には、なじみ深い。

「仏の顔も三度」とかね。

 一説には、浄土真宗は、イエスの言葉の影響を受けているそうだ。

 欧風カレーでも、ひと工夫すれば、日本のカツカレーになる道理である。

 

 それはともかく。

 わたしが、聖書を 『本』 にすぎない、と思ったきっかけは、自作の創作だった。

 創作をしていくうちに、登場人物が語り出してきた。よく聞く話だが、いままでと違っていたのは、

 論理的にストーリーが、すーっと出てきたこと。初めての体験だった。

 それと同じとはいわないが、神さまが創った人類だって、自由に語り始めている。

 聖書というのも、創造物のひとつである。(神が直接、創ったわけではないのだが)

 

 自分だけが神だという聖書の言葉が、わたしにとって、違和感があるように、

 「汝の敵を愛せ」 というのも、もしかしたら、なにか、違う意味があるのかもしれない。

 この聖書に書かれている神の言葉、つまり

 神さまの意図は、別にあるのかもしれない。

 なんと言っても、啓示を受けて聖書を書いたのは、人間であって

 神さまじゃない。人間が勘違いして、書いたことも、あるかもしれない。


 自分の中のあやまちを許すように、人のあやまちを許す、というキリスト教の考え方は、

 今後、わたしにとって、どういう意味を持つようになるだろう。

 そんな疑問がめばえた瞬間、聖書に書かれていること、ひとつひとつを、

 無条件に、純粋に、実行する必要は、ないかもね、と

 気づいたのである。


 いままでのわたしは純粋に、「神さまがそう願っているから」 という理由で、

 わたしを傷つけた人と、できるだけ、ふつうに会話したり、

 父を自殺に追い込んだ妹にも、優しい言葉をかけてきた。

 それでどうだった? わたしは、幸せになれただろうか?

 傷つけなければ、わからない人だっている。

 悪に対して、善を持って勝利しろ、とイエスは言うが

 自分で勝手に、「善」 だと思ってしたことが、悪い人にとっては

 いいカモめっけ!

 だったりするわけである。

 宗教というのは、現実に対して、無力なところがある。


 宗教を信じていれば、幸せになれるというわけではない。

 宗教心だって、きわめてしまえば、マザー・テレサみたいに評価されたりもするが、

 わたしには、きわめるのは難しいし、評価が幸せにつながるとも思えない。

 しかし、宗教を通して、より深く、物事を見ることは、できるかもしれない。

 聖書、という本を通して、「神と人間」 を 見つめてみたい。

 つまるところ、わたしの性格の一端は、キリスト教が占めているのだから。

 なんの圧力も弾圧もなく、自由に自分が自分でいられる。それはひとつの幸せではないか。

 といったことを、教会に行って、牧師に話してみたいが

 敷居がたかいので、やめてまーす。 

  

 

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