ゲームの時間を確保する
むかしこいつに不登校を辞めて学校に行くように説得したときあっさりと承諾したのを見て、ああなんだ普通に学校に行きたくないんだなと思ったものだ。学校に楽しいことがあるというだけで学校に行きたくなるはずがない。人間関係の束縛とそのちょっとした変化の積み重ねが連なってようやく学校とは勉強するための場所なんだなと納得する。なぜなら学校とは学校とは勉強をすべき場所ではないからだ。成績表のちょっとした恐怖に怯えつつも何とか授業を切り抜けていくことに季節の趣が生じる刹那に妥協しあった徒労の風景の皺が刻まれる。だから私も初めは観察して教師に頼まれたことだけをやり遂げた時の何となくの達成感と無意味さを自覚して社会の責任を理解していた。だがこいつは学校に勉強をしにきていた。一体小学校や中学校で何を学んできたのか。おそらく授業の内容だけを学んできたのだ。その意味で高校の勉強内容に関する理解を一般生徒に対して遥かに凌駕していたと言えるだろう。そしてすぐに授業についていけなくなった。テストの点数にそれは現れている。「彼」は100点と0点しか取れていないのだ。これはもう粛清対象であると思い隙を窺っていたのだが選択問題を真面目にランダムに決めようとして教師の思いやりを汲もうと解答欄を埋める練習を良心との葛藤でやっていたので赦すことにした。感想文を書けというのが拷問であるという気持ちは共有できるものなので宿題を3年分出してもらうよう交渉することで不登校の問題は解決した。宿題をやらない生徒は両親共々存在が抹消されるが「彼」は宿題をやっているので存在している。これは真理であり私の魔法少女生活を充実に
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