56 セネのお礼02



目を覚ますと 勇者様は相変わらず ぐっすりと寝ていた


はぁ あまり 眠れなかったよ


そっと 勇者様にキスをして


ふっふっ 本当に起きないんだから


じーっと 勇者様を見ていたら


魔王がこちらを


はぁ あんたがいなければ 私だって


あれっ セネは 帰ったのかな






午前中は いつも通りに剣の稽古


昼食を食べ終わってから 庭に出ると


空から黒竜が・・・


セネかな


あっ やっぱり


セネが飛んでいる黒竜から飛び降りてきた


「おはよう セネ 今日は」


「にゃ お礼にゃん」


むっ また 勇者様に


「勇者様は気にしてないから お礼はもう大丈夫じゃないの」


「今日は イリスにゃん」


「えっ 私に もしかして 買い物」


「そうにゃ 朝 奪ったにゃん」


んっ 奪った 買い物だよね


「え~と」


「乗るにゃん」


何だか悪い予感が う~ん 考えて無駄かな


まあ いいかぁ 




黒竜は私達を乗せて 大空に舞い上がり 物凄い速度で進んでいく


「どんな街なの」


「港街にゃ 大きな街にゃん」


へぇ~ 海かぁ~ 楽しみ


勇者様と買い物かぁ~ 獣族の街なのかな もしかして 魚好きの猫族の街かな




黒竜が下降を始めたと思ったら すぐに海が 街が見えてきた


大きな街


黒竜は街の中心に


えっ いいの 他の人達は驚いたりしないのかな


まあ セネのことを知っているなら 慣れているかもね




地面に降りて 周りを見渡したが人は誰もいない


店は沢山並んでいるのに


屋台等の出店も沢山あるが


どうして誰もいないんだろう 作りかけのものも あるから 慌ててどこかに


そうか 魔王がくるから 避難してるのかな


いや 魔王の街なら 避難するのは 変な感じよね


服を見ているとセネが


「好きな服があれば 全ていいにゃん」


えっ セネが払ってくれるの じゃあ 遠慮なく 勇者様に似合う服も探そうかな


セネも嬉しそうに服を見て そして 次々に収納しているようだ


お金は後払いなのかな あっ この服いいかも





結局 20着買ってもらうことに


「セネ お金は払わなくていいの」


「大丈夫にゃ 誰もいないにゃん」


「えっ」


どういうこと いない そういえば この街 人族の街のような 書かれている文字が人族の物だし


勇者様は 誰もいない屋台から普通に食べ物を手に取り 食べているけど


う~ん なんか嫌な予感が


「セネ この街って 人族の街じゃないの」


「違うにゃ 今朝 奪ったにゃん」


あっ そういうことね って いいの 私がここにいて もし誰かに見られたら 私も人族の敵ってことにならないかな


キョロキョロと周りを見たが 誰もいない


「誰もいないの」


「そうにゃ 皆殺しにゃん」


えっ どういうこと


「ここの人達が何かしたの」


「そうにゃ ここは奴隷狩りの拠点だったにゃん」


あ~ そういうことね それで


「この街は大きいけど どんな街なの」


「ネルケ王国の王都にゃ 今日滅びるにゃん」


えっ 王都 滅びるって まだ 滅びてないの もしかして 今 滅びている最中ってこと


「え~と どういうこと」


「みんな 頑張ってるにゃ 王はセネが倒したから 残りは他の10臣にお願いしたにゃん」


「えっ そうなんだ」


聞かなければ よかったよ


「タナトス様には秘密にゃ 知らないにゃん」


えっ もしかして セネの独断で




ちょっとテンションは下がったけど 私達は街を見て回り買い物を続けた


勇者様と手を繋ぎ 勇者様に似合いそうな服を沢山選んだ


あっ 人がいる 料理人が生きていたのかな でも 逃げないの


私達は人のいるほうに


あっ ドナさんとグニさん その他の人達もエルフ


50人くらいのエルフが料理を作っていた


「セネ 今から何かあるの」


「みんなで食べるにゃ お祝いにゃん」


まさか 国を滅ぼした記念なの


「仲間を助けだした お祝いにゃん」


あっ そうか そうだよね はぁ~ そうなんだよね




私達が料理を食べていると 魔王の10臣とその沢山の仲間達がやってきた


みんなの顔は明るい 作戦が成功したのかな 仲間が開放されたからなのかな


周りを見ると みんな笑顔 はぁ~ 素直に一緒に喜べないよ




セネが他の人達と話終わったのか 戻ってきた


「この国は滅んだの」


「そうにゃ 後はゾンビとスケルトンが全滅するまで 周辺の国で暴れまわって終わりにゃん」


あ~ 聞かなければよかったよ 死体がなかったのは そういうことかぁ


はぁ~





今日はこの国の城で寝ることに


私は勇者様と一緒のベットに


・・・




私は この日 初めて勇者様と


不安なことが色々あったから 勇者様の胸の中で眠りたかった


勇者様と話が出来れば


でも もう そんなことは どうでもよかった


ただ 私は勇者様と


・・・


これからも ずっと 勇者様と


私の勇者様


私だけの勇者様


・・・



お父様の言葉を思い出す


勇者様を導いて欲しいと


・・・


どのように


何が正しくて 何が間違いなのか


今の私には


分からなかった


・・・


ただ 勇者様の温もり


勇者様の


・・・

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