第20話 なぜかまた


どうにかして 精霊召喚の玉を手に入れなければ


タナトスとイリスに どうやって伝えたら……


そうだ あれだ


俺はアイテムボックスから取り出した


壊れた水晶の欠片を


これが必要なんだと手振り身振りで必死に訴えた


2人は考え込んでいるが 言いたいことが伝わっていると信じたい


しばらくして タナトスが立ち上がり ついてこいみたいな ジェスチャーをしてきた


今まで入ったことのない扉に入り階段を降りていく


イリスは不安なのか 俺と手を繋ぎ ついてくる


城の地下の……何もない地下室


タナトスは部屋の中央で立ち止まった


そして何かの指輪を次々につけていく


10個の指輪をつけ終わると何かを叫んだ


タナトスの周囲に禍々しい力が溢れた


俺は素早く イリスの前に立ち 剣を構えた


10人の獣人? 魔族? 人もいるのか?


タナトス この人達は?


平然とした顔で俺に剣を下げるようにジェスチャーしてきた


彼らは俺達の回りを囲み何かを言い出した


イリスは俺の背中に抱きつき 震えている


何を……魔法なのか……


やはり説明はないようだ


敵意はないようだが……獅子人?に……犬人?……人みたいな……猫耳に犬耳? いろいろな種族がいるのかも?


1番強そうな獅子人?を鑑定してみた


鑑定 ガウ 1930歳 レベル780


なんだこの年齢は……って言うか タナトスよりもレベルが高い


タナトスも目を瞑り何かをしゃべりだした


すると床に魔法陣ができ 光を放ち 俺達を包む


これはワープ?


違う場所に移動しているような……


光の中で声が聞こえてきた


あなたの願いを叶えましょう 呪いを取り除きました


呪い? 俺に呪い? 声が聞こえなくなり光が収まっていく


光が収まると俺達は洞窟のような場所にいた


きゃあああああ~


イリスが悲鳴をあげながら俺を突き飛ばす


いきなりなので転びそうになったが踏ん張り 周りを警戒する


敵……いや……何もいない……


イリスを見ると俺を睨んでいる


最近ずっと笑顔だったのに……


イリスに近づこうとしたら イリスが後退り……


どうして あれっ そういえば


自分の身体を見ると……


わぁっ どうなってる 気になって 鑑定してみた


あつし 100歳 勇者 レベル851


また裸のおじいさんになっていた

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