【創作エッセイ】しゃっくりとまらない

 しゃっくりは何回すると死ぬのだったか。百回だったか千回だったか。千回では現実味が欠けるから、たぶん百回だろう。

 どちらにせよぼくは死ぬけれど。

 年末からしゃっくりが止まらない。もともと、稀にしゃっくりが始まると数日は止まらない体質ではあったけれど、今回のやつはかなり酷い。精神的に参っているというのも拍車をかけているのだろう。

 年末に風邪を引いた時にしゃっくりが始まって、年末年始はひとまず収まっていたのに、今頃になって再発している。止める方法は種々あれど、基本的に不随意運動であるしゃっくりを止める根本的方法などなく、ただ時の過ぎるのを待つばかりである。

 しかし参るのがこのしゃっくり、吐き気も一緒に運んで来たということだ。これは今までにないことだからかなり今回グロッキーになっている。

 横隔膜が下から上へ突き上げる際に、胃の内容物もどうやら一部押し上げているらしく、これが今回吐き気に繋がっている。食パン一枚で吐き気が猛烈なのでどうしようもない。試したところ、ゼリー飲料程度なら吐き気も弱まるらしいが……。あと寝ている間はしゃっくりが止まっていようが続いていようが意識がないので問題はないのだが、寝ていることしかできないでは困る。

 これがこのまま続けば迷信でなく死ぬ。行くべき病院は内科か呼吸器科か悩むのであった。

 そうそう、病院と言えば自分で自分の目を潰しかけたものだから眼科にも行った。自傷未遂は結構前だから目に異常があったらとっくに問題になっているのだが、一息ついて「そういえば」というわけでの健診である。しかし瞳孔を開く目薬を差したあげくレンズを突っ込んで光を当てられたのには参った。

「はい右上見て」

「右も左も分からねえよ!!」

 という愉快なふれあいを挟みつつ久々の眼科であった。大っ嫌いな眼圧検査は何とか一発合格した。

 みんなも目はお大事に。とはいえ「右目はもともと視力が悪かったから潰すならこっちか」と思って潰しただけであって、決して自死の念が(当時は)なかったのだが、誰にも信用してもらえなくて困っている。

 今はははあ、どうだろうね。



【追伸】

 吐き気の原因はしゃっくりではなく病院でもらったお薬の副作用でした。確かに説明書きに書いてあった。年末年始から量と回数が増えたせいで副作用が強く出たらしい模様。金食い虫もとい長兄が「副作用で眠い眠い」と繰り返すものだから、つい副作用というと眠気に注意を払っていたのが失敗のもと。やっぱり殺虫剤いりますねこれ。

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