仮想世界の中で僕らは、恋愛アドベンチャーゲームの日常を存分に満喫する。

ゴリラ・ゴリラ・ゴリラ

プロローグ

 流星群————


 上空から……地上へと降ってきた。


 次から次へと————、隕石が降ってくるかのように。


 何千、何万光年の光が、天空からの贈り物のように降ってくる。


 その光景があまりに美しすぎて、綺麗すぎて、俺は茫然とその光景をその流星群が消えるまで眺めていた。


 もしかすると、あれは俺への贈り物ではないのだろうか?


 そんな風に思っていたが、そうだった思い込んでいたのかもしれない。


 俺は翼のない鳥たちが、ただ、飛びたくても飛べない空を見上げていた。


 それでも、人の命は生から死へと向かっている。


 と、俺の脳裏によぎった。


 俺は、自分と星を重なり合わせていたようなそんな感じがしている。


 しかし、自分が今までどんな人生を送ってきたのか、そして、何を考え、何のために生きてきたのか、それはまるで夢のようだった。


 そして、その俺の夢物語はどこが本当でどこまでが本当なのか。


 それを俺は夢の中で覚えている限り記憶を遡っている。それぞれの道が分岐していたとしても、それは可能性として不可能ではない。


 複雑な感覚だ。


 俺はこの先、どこへ向かうのか————


 俺はこの先どういう大人になっていくのか……。


 そんな未来と過去の入り混じった感情を抱きながら、俺はそっと目をつぶった。

 不安だった。


 これは俺にとっては人生に一度の出来事であるのだ。それは俺にとって必要になるだろう。


 そんな風に思い、俺は再び目をつぶり————


 俺は深い眠りに入った。


 学園都市の名は《セントラル》。この日、世界中の十分の一である約七億人が現実世界から仮想世界の日常へと閉じ込められた。そのゲームの名は————


《エブリー・ワールド》

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