未知の世界

勝利だギューちゃん

第1話

住んでいる町でも、まだ通った事にない道は、多々ある。

その道を、初めて通る時は、とても新鮮だ。


同じ町内なのに、別の町に来た気分になる。

ちょっとした、旅行気分だ。


そんな、大袈裟なものでもないが・・・


今日も、初めての道を通ってみた。

「なんだか、新鮮だな」

そう思いながら、歩いていた。


しばらくすると、商店街に入った。

「あれ?こんなところにあったっけ?」

疑問に思いつつも先を進む。


さらに進むと、茶店があった。

和菓子を専門に食べさせてくれる店だ。


「お腹がすいたな。少し食べていくか」

俺はそう思い、のれんをくぐった。


「いらっしゃいませ」

元気な女の子の声をした。


したはいいが、その格好をみて驚いた。

和菓子の茶店といえば、和服を想像する。

でも、その女の子は・・・


喫茶店で見るような、ウエイトレスの格好をしていた。

「あら、桐山くんじゃない。いらっしゃい」

「茶山さん?どうして?」

「どうしてって、ここ私の家だもん」

外へでた。

和菓子店「茶山」と書いてある。


中に戻る。

「わかった?」

「うん」

茶山さんが、微笑む。


「でも、どうしてウエイトレスなの?」

「やっぱり気になる?」

「うん」

ならないほうがおかしい。


「単なる趣味だよ」

「趣味?」

「うん」

「でも、どうして?」

「それはね・・・」

茶山さんが、耳元でささやいてくる。


思春期特有の女の子に匂いに、ドキドキした。


「わかった」

「うん、納得した」

「でも、やはり、だめね。明日からまた、考えるわ」

「今日オンリー?」

「うん、じゃあ、また後でね」

そういうと、茶山さんは去って行った。



ここの和菓子店は、全て茶山さんが、切り盛りしているようだ。

老舗なので、和菓子店は守りたい。

でも、和服だと、動きにくい。


メイドならあからさま。

制服だと、萌えすぐる。


それで、ウエイトレスか・・・


「桐山くん、はい」

「あれ、まだ頼んでないけど・・」

「私からの、サービス。そのかわり・・・ねっ」

茶山さんは、ウインクしながら、人差し指を唇に当てた。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

未知の世界 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る