眠れぬ夜に

カチ カチ カチ カチ


秒針の足音を数えて



カチ カチ カチ カチ


螺旋階段を降りてゆく



カチ カチ カチ カチ


常夜灯の橙が



カチ カチ カチ カチ


長く長く影を伸ばす



どこまでも続くハイウェイに


車のかげはひとつもなく


どこかで見た風景に


誰の夢かと自問する



カチ カチ カチ カチ


秒針は逆向きに走っている


これはぼくの鼓動の音だ



カチ カチ カチ カチ


インターチェンジの白い光に


ぼくは僅かに安堵する

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