Op.49 サテライトストラテジー
ミコトの軽やかな指先の動きに合わせ、半透明のコンソールで波紋が踊った。その姿はまるで、大気という楽器を奏でているようにも見えた。
セフィロトシステムの戦闘端末である
しかし時を置かずに、
焦燥感と絶望感を募らせたミコトは、ワールドエレクトロンゲームズの初戦で敗退した時のことを思い出す。
「……ダメなんだ……やっぱり、僕は……」
声を震わせ、ミコトは俯いた。
その時、背後から両肩に暖かな手が置かれた。
「これからなんだろう?」
シタンの力強い声が、ミコトの耳朶を打った。
「貴公はできたんだ。前を向くことも、立ち上がることも、踏み出すことも」
振り返るミコトの視線の先で、シタンが微笑む。
「だから頑張れ。大丈夫……できる……ミコトならできる!」
「……はいっ!」
ミコトは、再び空中に結像されたディスプレイを見据えた。
深呼吸を一つ。
それからゾーンと呼ばれる極限の集中状態に到達することに成功したミコトは、常人の目では追い切れないほどの
自身の限界を超えたミコトのオペレーションによって、
そして、ほとんどの
突然、アルテシア王国の空が陰った。
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