Op.4 舞い降りし者
「人……!?」
シタンが呟くと同時に、光は続いて招かれざるものを吐き出した。
鋼の鎧に覆われた生物――
しかし体躯が小さい。おそらく幼生だろう。
「衛兵!」
シタンは、会議場脇の廊下に控えているはずの衛兵を呼ぶと、机と椅子を足場にして
「銃剣を!」
シタンの声に反応し、会議場に飛び込んで来た衛兵が銃剣を放り投げた。シタンは跳躍しながら、その銃剣を空中で掴む。
「はあああああっ!」
全体重に落下時の加速を上乗せし、シタンは
果たしてその判断は功を奏し、
シタンは暫く
「すまない。折ってしまった」
謝罪しながら、シタンは衛兵に銃剣を返した。周囲を窺うと、他の衛兵たちが非常時の取り決め通りに議員を外へと避難させている。
「重ねてすまないが、負傷者がいる。担架を手配してくれ」
銃剣を返した衛兵に指示を出すと、シタンは少女のかたわらで膝を折り、静かに寝息を立てるその顔を覗き込んだ。
名のある彫刻家に象られたかのような、秀麗な面立ちの少女だった。黒髪を耳朶の高さで短く切り揃え、装飾に乏しい衣服を身にまとっている。
「…………」
なぜだろうか、シタンは不思議な熱が胸の内から沸き上がって来るのを感じていた。
何かが動く。
何かが始まる。
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