第59話:苦渋の決断 v0.0
まだ第4話改稿に至っていないわけですが……考えた結果、現存する4、5話は亡き者として抹消することに……ではなく、『旧:第4話〜〜』と言う感じで形だけは残そうと思います。
この全く書かれていないヴァルティーア帝国側の視線もちゃんと書かないとなぁ……。
あと皇帝、お前もだよ(無計画ゆえの失態)。
______
_ダーダネルス帝国帝都ディオニス、総合司令部
「北部方面第二帝国海軍……連絡、途絶しました」
総合司令部内に、重々しい雰囲気が漂う。
北部方面第二帝国海軍との連絡途絶。それすなわち、全滅であると言うことは、その場にいた誰もが気づいていた。……いや、そう思わざるを得なかったのだ。
陸戦で敗退している現状、海軍に対し過度な期待を持ちすぎていたのかもしれない。そしてそれは、いとも簡単に打ち破られた。彼らをどうしようもない感覚が襲う。
「……!北部方面帝国軍総司令部より連絡!」
そして続けざまに上がる悲鳴にも似た通信員の声。その内容は、彼らからしてもあって欲しくなかったものだった。
「げ、現在沿岸沿いに建設された各地の後方施設が攻撃を受けているとのこと!」
「何ッ!?」
「さ、さらに敵軍はそれに呼応するように大規模侵攻を再度開始ッ!連絡では『防衛戦線崩壊時間の問題。援軍よこせ』とのことですッ!」
「な、なんてことだ……」
海軍との連絡は途絶え、さらに敵の大規模侵攻作戦の再開。ある通信員は『まさに最悪のシチュエーションだなぁ……』などとぼやくが、それに関してはヴェルティも賛成だった。
状況が、悪すぎる。敵の進行は我々の想定をはるかに超え、今から国内に存在する全軍を招集しようにも地域が広大。つい先日まで対デルタニウス王国戦に備えて南部に戦力を揃えたはいいものの、謎の攻撃によりそのほとんどは駐屯基地とともに消滅。さらに工業地帯も南部海軍基地も破壊されたことにより軍事力は大幅に低下した。どれだけ徴兵を迅速に行おうと、訓練時間その他諸々が終えた頃には北部戦線は崩壊していることだろう。
「援軍を寄こそうにも数が足りない……現状我々にできることといえば……」
ヴェルティはしばらく頭をフル回転させ、現状打破の方法を模索する。
正面きっての密集隊形で攻撃……それはダメだ。戦力が足りない。撤退からの領地奥地への敵軍誘引、包囲殲滅……それもダメだ。『鉄の箱』に反撃されるのは目に見えている。
……あぁ、そうだ。あるじゃないか。とっておきの策が。
「全てを捨て、殴り込むか……ここで潔く、滅びるか」
気づけばヴェルティは席を立ち、総合司令部の出入り口のドアに手をかけていた。
「し、司令官殿……?」
その様子を通信員たちは心配な表情で見つめる。
「私は……臨時宰相に上申してくる」
通信員がその一言を聞いて、ため息を漏らす。
「司令官……今は急を要する事態なんですよ?それを今放棄して呑気に上申しに行こうって言うんですか?」
「あぁ。『急を要するから』行くんだ」
ヴェルティ迫真の顔に、通信員は思わず
「……一体、なにをするつもりなんです?」
通信員は不安な表情でヴェルティに尋ねる。
「……私は……潔く亡ぶ気はない。君達も……そうだろう?」
「ま、まぁそれはそうですが……」
「その秘策を……伝えるのさ」
「……秘策、ですか」
「だから、君たちには……そうだな。このまま業務に専念してもらいたい」
「……信じていいんですね?その……秘訣」
「あぁ……少なくとも君たちの命は保証する」
ヴェルティの妙な言葉遣いに、通信員は違和感を覚えるが何事もないかのように続ける。
「そうですか。……なにをしでかすつもりかは考えませんが、少なくともそれが我々に対し利益を生み出すことを信じます」
通信員がそう呟いた時には、すでにヴェルティは部屋にいなかった。
______
全く書かれていない細かい描写は数が頭の髪が全部抜け落ちるくらい多いので、改稿で付属する形で行います(例えば司令官の名前が入れ替わってたりとか)。……この国が滅んだら、一旦更新止めて改稿に専念するかな。
ヴェルティ君が考案したある秘訣とは何なのか。それは次回までのお楽しみということで。
新4話も随時更新していきます(案がまだ決まってないのは内緒)。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます