第204話 幻惑剣02




「ねぇ ママ この街にノルンがいるの」


「いいえ たぶんいないと思うよ ここはね ダンジョンの街なの 世界一安全なダンジョンの街なのよ」


「へぇ~ 他の街と違って賑わっているね」


「初心者でも安全に倒せる魔物が出るダンジョンだからね それも 兎の魔物だから 食料に困ることもないのよ」


兎の魔物は襲ってこない珍しい魔物 こちらから襲わないかぎりは向かってこないので 1匹に対して6人で戦うことの出きる魔物 ここのダンジョンの1階から5階までは兎の魔物しか出てこない ダンジョンは行き止まりも多いので兎の魔物に逃げられずに倒すことが出きる


フラテール教団の支部に行くと


10歳前後の若い女の子が出迎えてくれた


「何かようかしら」


「はじめまして ユウキです ノルンに会いに来ました」


「ノルン様に? 何のようで」


「この2人を保護してもらおうと思って」


「それなら 孤児院の方がいいと思うわ フラテール教団がある街の孤児院なら食べる物にも苦労しないから安心していいわよ」


ユウキの母親がクスクスを笑いながら「ユウキ ちゃんと名乗らないと」っと


「僕は第4の英雄 ユウキです」っと言うと


女の子が「はいはい 偽者ね 第4の英雄は私よりも強いのよ」


「僕も強いよ」っとユウキが言うと


女の子は「ふっふっ じゃあ 私に勝ったら ノルン様に話をしてもいいわ」っと


「木剣でいいなら 勝負を受けるよ 頭に木剣が当たったほうが負けってルールでどうかな」


「いいわよ 裏に道場があるのよ そこでいいわよね」


「うん」っと頷き 女の子の後に続く


クリステルが「ノルン様と知り合いじゃないんですか」っと


母親はクスクスと笑いながら「戦いの経験は沢山した方がいいのよ」っと




道場には誰もいなかったのだが すぐに 子供連れの女性が入ってきた


「カルナ 何をやっているの」


「えっ 勝負ですよ 木剣だから大丈夫ですよ ちゃんと手加減しますから」っと


「まったく あなたは9歳になったのよ 相手は5歳じゃないの」


「僕は強いから大丈夫ですよ」


カルナは「第4の英雄様ですって」っと女性に言うと


女性は はぁ~っと ため息を 「怪我だけはさせないようにね」っと


ユウキの母親は女性のところに行き「その子供って」っと話を始めた


カルナが「いつでもいいわ かかってきなさい」っと言うと


ユウキが「行きます」っと言ってカルナに向かってジャンプ


「必殺 幻惑剣」っと叫び カルナの頭目掛けて木剣を振り下ろす


カルナは自分の木剣で受けようとするが


「えっ」


やはり すり抜ける


カルナは「盾」っと叫び 咄嗟に盾を取り出し 木剣を防ぎ 後ろにジャンプした


ユウキは着地と同時に「必殺 幻惑剣」っと叫び カルナに向かって突きを


瞬時に伸びたユウキの剣に驚きながらをかわす


「やるわね 本気でいくわよ」


「僕も本気でいくね」


向かってくるカルナに ユウキは「必殺 幻惑剣 阿修羅」っと叫ぶ


カルナは目を奪われた


目の前に現れた6本の剣を持った6本の腕に


一瞬の隙をつき ユウキはカルナの頭に攻撃を


カルナはクスリっと笑い ユウキの攻撃を避け


ユウキの胴を狙って横斬り


ユウキは慌てて盾を取り出し防ぐ



カルナはアイテムボックスから木剣をもう1本取り出し2刀でユウキに次々に攻撃を


カルナの動きはユウキを上回っていて ユウキは防戦一方に


ユウキは後ろに飛びながら「必殺 幻惑剣」っと叫び 剣を伸ばして カルナを迎え撃つ



「もう私に幻惑剣は通じないわよ」っとカルナは笑いながら ユウキの攻撃をかわし


ユウキに攻撃を


ユウキは盾を出し なんとか防いでいるが防戦一方に


そして


カルナは木剣を収納して「あなたが第4の英雄なのか試してあげる」っと叫び


まっすぐにユウキに向かって走る


ユウキは焦る


手加減の攻撃だとカルナのスピードについていけない


とはいっても


可愛い女の子に怪我をさせることは出来ない


突きを出せば勝てるのだろうが


出来ない


ユウキに接近したカルナは叫ぶ「必殺 幻惑剣」


腕を伸ばしたカルナの手に木剣が現れ


木剣は「トン」っとユウキの頭に


カルナは微笑みながら


「合格ね 君なら ユウキなら 第4の英雄を名乗ってもいいわよ」っと


「えっ 僕 負けたのに」悔しそうに下を向く


「私に攻撃を当てなかったでしょ 第4の英雄様なら 絶対に私に攻撃を当てないのよ 偉いわよ」


カルナはそう言いながら ユウキの頭を撫でる


「負けちゃったのね」


「ママ ごめんなさい」


「怪我をしてないなら問題ないわよ カルナちゃん 手加減してくれてありがとう」


「いえ ユウキが手加減してくれていなかったら 最初の一撃でやられてましたよ」


「へぇ~ よく分かったわね」


「盾に当たる音が軽すぎましたからね 剣のスピードが不思議なほどなかったですからね」


「若いのに戦闘経験豊富そうね」


「毎日稽古してますからね 第4の英雄様に言われた通り 毎日頑張っています」


「へぇ~ そうだ 最近見てない」


「いえ いなくなったと聞いてます」


「そうなのよ 1年も連絡がないのよ どこで遊んでいるのか分からないのよね」


「やっぱり生きているんですよね」


「当然でしょ」


「ふふっ そうだ ノルン様に連絡をするんですね」


「大丈夫よ もうしてもらったわ すぐに来てくれるって」









クリステルとグリフはノルンの屋敷に住むことに決まった


この国の城に住むことも提案されたのだが クリステルがノルンの屋敷を選んだようだ

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