第178話 千エン04
怖そうな男が剣を抜いた
それも3人も
「俺達にも肉を食わせろよ 英雄の名を騙って英雄の真似ごとなんかするんじゃない」
エリックは無言で男達の前に
えっ えっ
周りからは「きゃあ~」っと悲鳴が
3人の男達の首が落ちた
容赦ないのね
「英雄は可愛い子の味方なんだよ 向かってくるなら相手になるよ」
えっ えっ 斬った後に言うの
周りも しーんとなってしまう
エリックの母親は
「邪魔な死体は片付けて解体を始めてね お腹空いているんでしょ」
えっ えっ
子供達は大人の死体を引きずり 離れた場所に
そして 解体が始まった
大人達は動揺して動かないけど 子供達の行動は早い
お腹空いているんだろうけど
「ママ 昆虫の調理は誰もしないよ」
「ふっふっ 別にいいのよ 食べたくないなら食べなくてもいいのよ 後で収納してね」
「うん そうだね」
・・・
助ける義理はない のよね
・・・
しばらくすると 大人達は頭を下げてきた
昆虫の魔物を食べさせて欲しいと
調理をさせて欲しいと
エリックの母親は「いいわよ」っとひと言だけ
大人達も解体と調理を始めた
・・・
「大人は肉を食べたらダメなんですか」
「ふっふっ この街の周りには昆虫の魔物しかいないのよ 森まで距離があったでしょ 食べるなら昆虫の方がいいのよ」
でも 沢山あるのに
「ロアちゃんとレアちゃんに食べ物を分けてくれた人には 助けてくれた人には お肉を上げてもいいわよ」
えっ そんな人は・・・
「お肉が出回っても 孤児達にはお肉を買うことが出来ないのよ 昆虫の魔物も食べれなかったでしょ」
私達を助けてくれた人はいない 食べ物をくれた人はいない
孤児を助けてくれる大人はいなかった
・・・
12歳の男の人が私の側に来て
謝ってきた
襲ってすまないと
助けてあげられなくてすまないと
子供の頃に英雄様に助けられたことがあったのに
大人が子供を助けないといけないのに
本当にすまないと
・・・
12歳の大人が謝ってきた
・・・
この世界の成人は10歳
孤児が成人したからと言っても
10歳になったからと言っても
この街には この国には仕事がない
孤児と何も変わらないのに
・・・
エリックの母親が
「じゃあ 明日からはロアちゃんとレアちゃんの荷物運びをお願いしたら」
えっ 荷物
「何でもやる 仕事をくれるのか」
えっ えっ 何で私に聞くのよ
私が困惑しているとレアが「いいよ」っと
えっ 仕事 荷物運び?
「街の側だったら 沢山倒していいのよね」
あっ そうか 魔物退治 魔物を運んでもらうのか
「うん そうね お願いするね」
「ああ 任せろ どんな仕事だって請けるからな」
街の側の昆虫の魔物なら 私とレアは楽に倒すことが出きるようになっていた
私とレアが倒し終わると 街から大人達が出てきて 魔物を街まで運んでくれる
エリックの母親が孤児達のために買ってくれた建物の前で解体して調理をしてくれることになった
エリックの母親は街の孤児の中から可愛い女の子10人を集め 魔物退治が出来るように稽古してくれた
私達12人は毎日稽古を一緒にすることに
街の側で魔物退治を
リーダーは私
エリックの母親は自分のためだけに頑張りなさいと言った
自分の幸せのためだけに頑張りなさいと
週に1度だけ12人で北の森に行き オークを倒しに行く
絶対に森の中には入ってはダメだと言われている
森から出てきたオークのみを倒す
100%勝てる戦いしかしてはダメなのだ
12人が1人もかけてはダメなのだ
忘れそうになると
現れる
英雄様の呪いが
森の奥から私達を見ている
恐ろしい呪い
パンツ1枚のおじさんが
こちらを見ている
それも 今日は4人に増えていた
・・・
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