第167話 修業編10



「ぎゃはっ」


「ぐはっ」


「どはっ」


「うっ ユウ ストップ」


「まったく」っと言って 俺を抱きしめ回復魔法を


「師匠 俺の木剣だけ すぐに折れるんですけど」


「はあ 貴様の木剣とユウの木剣は同じものだぞ 腕の違いだ」


「う~ それなら もっといい木剣をくださいよ 絶対に折れないような」


「はあ そんな木剣があるはずないだろ」


「智王様 それなら ほら あの杖がいいんじゃないですか 重い杖だけど 絶対に折れない杖が倉庫に」


おおっ 絶対に折れないのか


「はあ あれは本当に重いぞ 木の剣は1キロもないのだぞ 鉄の剣だって1.5キロから2キロ程度が普通なんだ あんな重い杖でユウと戦えるはずがないだろ」


「師匠 その杖がいいです 木剣だと一撃で折れるから意味がないでしょ 木剣だと防御にもなりませんよ」






ユウに案内されて倉庫に


うっ おもっ


「どう 持てそう」


「うん 持てるけど これで ユウの剣の動きについていくのは無理かな でも これだと折れないんだよね」


「ふっふっ どうかな 本気で攻撃するから 構えてみて」


俺が杖を構えると ユウが本気で杖に攻撃を


「ばんっ」っという大きな音と共に ぼきっとユウの木剣が


おおっ 凄い ユウの本気の攻撃を




「師匠 この杖 凄いですよ」


「まあ そうだろうな 絶対に折れない杖だからな その杖は破壊の杖 大地の杖と呼ばれている 恐ろしい2匹の魔物の魂と血液が宿っていると言われているぞ」


えっ なんだか 呪われそうだね そういわれてみると 血のように赤い杖だね


「まあ 力をつけるには いい杖かもな 血を吸わせることで重さが増すからな 重くしたい場合は血を吸わせるといい」


「やっぱり 呪われているんですか」


「まあな しかし 貴様には問題はない」


「えっ 大丈夫なんですか」


「ああ 持ち主の魔力を吸い取るという呪いがあるが 貴様には魔力がないからな」


なるほど たしかにこれを振れば力がつきそうだね 杖というより棍棒かな


「智王様 その杖の名前は」


「大地の杖 破壊の杖 血の杖 う~ん 血 朱殷 朱殷の杖だな」


んっ いま決めたな 名前がないのか まあ朱殷の杖でいいかな


「その杖に決めたなら その杖を使い続けろ 武器は慣れ親しむのが一番からな」


「じゃあ 行くよ」ユウが木剣を振り下ろす


そうだ 収納 取り出し


よし


ユウの攻撃するタイミングに合わせて 取り出せば防ぐことが出来る


絶対に折れない杖なら 盾の代わりになるかも


収納したのがバレないよにに代わりに幻影の杖を出して 常に杖を見せれば 素早く振れているように見えるはず


「むっ よくも防いだわね 本気で行くわよ」


よし 最初は幻影の杖で 当たる瞬間だけ朱殷の杖で


ユウの攻撃に合わせて杖を出す そして すぐに収納 そして また ユウの攻撃に合わせて杖を出す


「お姉ちゃんを舐めないでね」


ふっ もう 食らわないよ はっ


「ぎゃはっ」


「ぐはっ」


「げはっ」


「無理 無理 卑怯だよ 2刀流はダメだよ」


「どこが卑怯よ 2刀流は当たり前でしょ 私だって アイテムボックスを利用すれば 木剣を手放し 3刀流 4刀流だって出来るのよ」


うっ そこまで本気にならないでも


「う~ ダメだったか せっかく 凄い技だと思ったのに」


「ふっふっ いいと思うよ 防がれたから本気になっちゃたけど いいセンスだと思うよ もっと稽古すれば 実戦でも役に立つと思うよ」


「ありがとう ユウ」


「そうだ 何度も稽古し 考え また 稽古する 貴様の手足のように武器が使えるようにならなくてはならない 武器に慣れ親しみ 呼吸を心に覚える 体に覚えさせるように 武器にも覚えさせるつもりで繰り返し稽古をすることだな」


「分かりました がんばります 師匠」


「よし それでは 今日から その杖を持って走るようにな」


「えっ これ本当に重いですけど」


「常に持ち歩くことで 重さ 長さ等の特徴を体の一部のように理解しなければダメなんだ その杖を選んだなら 貴様の体の一部にしてしまえ」


はぁ~ 失敗したかな 本当に重いよ


「より実戦で戦えるように 明日からの試合稽古は岩や草木のある でこぼこな場所や森の中や道場の中でもやるからな」


実戦か この世界には魔物が多いっていうからな 外壁で囲まれた街の中以外での生活は出来ない世界 どこでも戦えるようにならなければ生きて行けない世界か


「どうしたの 不安になったの」


「うん だから なぐさめてね」


「ふっふっふっ 大丈夫 お姉ちゃんがついているからね」


ユウは優しく俺を抱きしめキスを


ユウと一緒なら


「おい 走れって言ったの忘れてないか」


いい雰囲気を邪魔しやがって


「ふっふっふっ 私も一緒に走るからがんばろ ねぇ」


ユウは笑顔で俺の手を引き 走り出した


「ユウ ありがとう 走ろう」


「えへっ」


可愛い


「おい 杖を持って走れよ」


うるさいなぁ~ まったく


「ふっふっふっ 君が強くなるためだよ」


「そうだよね ユウが師匠ならいいのにね」


「じゃあ 私は智王様より強くならないとね」


「ユウなら なれるよ きっと いや 絶対に」


「そうね 君が智王様と敵対した時はお姉ちゃんが守んないとね じゃあ 今日からいつもより沢山走らないとねぇ」


「え~っ」


「え~じゃない 行くわよ」


「は~い」



最強の魔法使いになるための修行は続く

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