第163話 修業編6




いれるのは禁止


かたくするのも禁止


俺とユウは向かいあう


にぎにぎと


ぎゅっ ぎゅっっと


見つめ合い


「いくよ ユウ」


「ふっふっ こっちもいくよ~」


それっ っとユウは笑顔で雪玉を投げてくる


俺は雪玉をかわしながら ユウにめがけて 雪玉を投げる


きゃっ きゃっ っと可愛い声を出しながら ユウは避けていく


「えいっ えいっ」とユウが俺に雪玉を


ぱすっ ぱすっ っとユウが投げた雪玉が次々に俺に命中していく


俺も それっ いくぞ~っ っと次々に投げていくがユウは笑顔で全てをかわしていく


足場の悪い雪の上でもユウは軽やかな動きで 投げ そして かわしていく


「もう ちゃんと避けないと稽古にならないよ」


「そうは言っても」


ユウは俺の頭をよしよし っとさわりながら


にっこりと微笑み 一緒にがんばろねっと


俺の胸はきゅんきゅんと


俺はユウを抱きしめ 耳元でそっと愛を囁く


ユウは えへへっ っと笑い 俺にキスを


俺とユウは見つめ合い 何度もキスを


・・・


「おい 稽古中だと分かっているんだろうな 俺が見ている前でどうどうとイチャイチャしやがって 貴様が魔法の稽古をしたいと言ったから連れて来たんだぞ」


「師匠 稽古には愛が必要なんですよ ユウのおかげでやる気が出てきました」


「ふっふっふっ」


「はぁ~ さっさと続けろ」


ユウが俺に抱きつき キスを


「おい そっちじゃないだろ」


ユウは えへへっ っと笑いながら 俺から距離をとる


師匠はため息をつきながら 雪の上に出した椅子に腰をかけて本を読み始めた





休憩中は雪玉を作ったり 大きな雪だるまを作ったり 雪兎を作ったりして アイテムボックスに収納


休憩が終わると氷ついた滝に行って 師匠が砕いた氷や氷柱をアイテムボックスに収納




昼食が終わると


「よし ユウ帰るぞ 貴様は夜まで大小の雪玉を作り続けろ じゃあな スノウかフレアが迎えに来るまで続けろ」


「頑張ってね ちゅっ」 そう言って ユウも師匠と一緒に転移で消えた


えっ えっ


寒さの耐久性が上がっているから凍えることはないけど さみしくて凍えそうだよ


雪玉を作りながら何度もため息を はぁ~ これが魔法ぽい稽古なのか


雪玉を作り 収納 雪玉を作り 収納 う~ん そうだ 師匠に投げつけるための


石を中にいれた雪玉を作ったり 投げやすい大きさの氷を拾って アイテムボックスに収納していく


最強の魔法使いになるために?


はぁ~


・・・







「おまたせ」


「フレア ちゅっ 来てくれてありがとう」


フレアは俺に抱きつき ゆっくりと雪の上に倒れこむ


1人では冷たいだけだった雪の上も


2人だと温かく感じる


真っ白な銀世界


2人だけの真っ白な世界


君となら どこでも温かいね っと微笑み


君のいる場所が 私のいるべき場所


君と一緒なら場所はどこでも


フレアは俺を優しく抱きしめ


キスを


寒い雪山の雪の上で フレアは温かいねっと微笑む


フレアは目を瞑り 話を


誰もいない空間に封印されていたと


何も感じない空間で 何も考えずにただ1人で 長い時を


何も感じてなかったはずなのに 思い出すと 寒く凍えていたような感覚になると


フレアは目を開け 俺を見つめ微笑む


大好きだよっと











フレアは俺に信じて っと真剣な顔で


愛しているよ っと囁くと


フレアはこくりっと頷き俺に抱きついてきた


体が熱くなり 痛みが


息をすると 自分の息で喉が焼けるような感覚に


体が痛みを拒否し 感覚がなくなっていく



感じる


フレアの肌を フレアの愛を


フレアの唇が俺の胸に


フレアの手が俺の体を


痛みから逃げ出してしまいそうな俺をフレアが優しく抱きしめてくれる


フレアの愛情が俺を受け止めてくれる


熱い炎よりも熱い愛で


激しい炎よりも激しい愛で


強い炎よりも強い愛で


フレアの愛が 心が 魂が


優しいフレアの笑顔が 囁きが 温もりが 匂いが


よくがんばりました っと言って 俺にキスを


絡み合う舌 フレアの唾液の味が


全ての感覚が戻り 俺の全てがフレアを求める


炎よりも熱く


炎よりも激しく


炎よりも強く


炎から生まれてくるのは愛


フレアの体は炎よりも熱くなる


しかし それは愛の炎


俺を決して傷つけることのない優しい炎


どんなに熱く 激しく 強く燃えようとも


優しい愛の炎


2人の体は 魂は燃え上がり


1つの大きな炎に


熱く 激しく 強い 愛の力


愛とは魔法


熱く 激しく 強い 愛の魔法




フレアの愛を理解し 信じることで 体を焼く熱いフレアの魔法が 本当は温かく優しいものだと分かる


俺は強くなるために 最強の魔法使いになるために


フレアと何度も肌を重ねた






「稽古はしているのか」


「もちろんですよ 師匠」


「う~ん そうだな 異常なくらい暑さへの耐久性がついてきているようだな」


フレアは微笑み


そっと俺にキスを




睡眠時間を削り 命をかけて


最強の魔法使いになるための修行は続く

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