第117話 いきなり



やはり サブル王国は居心地がいい


すでに 1ヶ月も滞在している





「悪魔族を滅ぼしに行かないんですか」


サリアが不思議そうに聞いてきた


「俺には興味ないからね」


「でも 賢者様が捕まっているかもしれないんですよ」


「英雄なら自力で何とか出来るんじゃないかな 噂では 勇者 賢者 聖騎士の3人はレベル100以上って話だし」


「でも 賢者様は」


「姫 この男は知らないんですよ 知ってるなら すぐに」


「あっ そうですね ふっふっ」


「えっ 何が」


「内緒です そうだったんですね」


んっ どういうことだ


「はぁ~ 王と姫の計画も順調みたいですけど それにしても 毎日毎日」


「計画って何」


「ふっふっ 内緒です あっ そうだ 手紙が来てました」


「手紙って 俺に 誰から」


「フラテール教団からですよ」


「宗教か 俺には興味ないよ」


「ふっふっ フラテール教団のトップは巫女様なんですよ 可愛い」


「へぇ~ 話だけでも 聞きに言ってみようかな」


「まったく」


「クスクス ですよね 友達を救って欲しいと書かれています」


「じゃあ 明日 ちょっと 行ってみようかな え~と」


「地図なら用意してます あおいちゃんの転移なら一瞬でしょうけど あまり 無理をさせてはダメですよ」


「無理はさせてないつもりだけど 転移はやはりキツイのかな」


何度もサリア達も連れて あおいの転移の魔法でいろいろな街に買い物に出かけていたけど


「そうじゃないですよ あかりちゃんもあおいちゃんも そのあれですよ」


えっ あれって その 2人ともってこと


「まったく いつも一緒にいるのに気づいてないのか」


え~と そうなのか


「ふっふっ 旅が無理でしたら この国にずっといても大丈夫ですよ」


う~ん どうしようか



「あかり あおい え~と その お腹に」


2人は微笑み コクリと頷いた


あ~ やっぱり そうなんだ


「あおい じゃあ 転移の魔法は無理かな」


あおいは首を横に振る


いいのかな 人数が増えるほど転移の魔法の魔力は多く必要だけど 3人なら大丈夫なのか


「ここに 行きたいんだけど」


あおいは俺の手を掴み そして杖をかがげた


えっ いきなり


俺達3人は光に包まれ 転移した







サリア達にお別れも言ってないけど・・・


入街税を払って 街の中に入ると


あっ


どうして  って やっぱり あかりとあおいの




「師匠 お久しぶりです」


「ああ」


「今日はどうして ここに」


「2人を預かってやろうと思ってな」


「その どうして 師匠が知っているんですか まさか ずっと監視でもしているんですか」


「はぁ 俺は彼女達に頼まれたから来たんだ 彼女達がお前を見守っているからな」


「あ~ そうだったんですか」


1年間 師匠の所で修行をしていた時に 俺の世話をしてくれていた3人の女性達が今も俺を見守ってくれているようだ


「その ちゃちゃ ばにら ちょこも ってことですよね」


「ああ そうだ 3人は子供の世話で忙しいから ちゃちゃの父親 ばにら ちょこの両親に来てもらっているから安心しろ」


「えっ そうなんですか その あっ 師匠って獣族の言葉が分かるんですか」


「言ってなかったか」


聞いてないよ まったく それより ちゃちゃ達の両親が師匠のところに あれっ 


「その 彼女達も 子供が 俺の」


「はあ お前以外に誰がいる 言っておくが 俺は手を出してないからな」


え~と え~と 情報が多すぎて混乱してきたよ



あかりとあおいが俺に抱きついてきた


俺は2人を抱きしめて


キスを


たしかに 一緒に旅をするのは でも 別れたくは


じゃあ 俺も


「言っておくが お前はダメだからな」


「えっ 何がですか」


「俺の所に来るのがだよ」


「どうしてですか」


「自分の胸に聞いてみろ 何人の女性に手を出すつもりだ まったく」


「あっ 他にも可愛い女の子が」


「はぁ~ 知る必要はない 俺の里にはお前は立ち入り禁止だ」


え~ 師匠の女には手を出してないのに



俺はあかりを抱きしめ


キスを


あおいを抱きしめ


キスを


2人はコクリと頷き


師匠の所に


そして


消えた




はぁ~ また1人に


・・・

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