第75話 竜の巫女11



誰も怪我することなく 


順調にレベルが上がっていき


村を出てから10日目にはレベル32になっていた


だからといって


油断していたつもりはなかったのだが……




11日目


最初に遭遇したのは 1匹の魔物だった


甘えてきた ばにらを抱っこして歩いていると


魔物が見えたので 適当に石を投げると


命中して魔物が


蟻の魔物が倒れた


「あっ まずい ばにら 降りて


連石弾 みんなも下がりながら 石で攻撃」


蟻の魔物は次々に集まって向かってくる


D級の魔物なので

俺なら手で投げた石でも倒せるのだが……

俺は1秒間に1発

ちゃちゃ達も次々に石を投げていくが……


それ以上に蟻の魔物の数が多い


仕方ない


「ちゃちゃ ばにら ちょこ ここは 任せた」


俺は朱殷の杖を持って突撃だ


「焔の杖」


幻影の炎を纏わせて


「はあああああ~」


杖を振り回しながら倒して進む


囲まれそうになると


「飛翔」


ジャンプしながら進む


ジャンプしたついでに


「岩雨」


上から岩を落とす


きりがないので 巣穴を塞いで

蟻が出て来るのを止めるしかないだろう


ジャンプしながら進んでいると 大きな穴が


人が入れそうだが 恐いので無理だよね


巣穴の上にジャンプして

上空から 大量の岩を落としていく


後は 外に出ている蟻の魔物を倒せば終了だね


杖を振り回して倒していると


「げっ」


まさか だよね


地面がぼこぼこと あちらこちら


盛り上がってきた


50ヶ所くらいから蟻の魔物が


…… いや 見た目が違う


鑑定すると軍隊蟻の魔物となっていた


止めどなく 出てくる軍隊蟻の魔物


撤退 撤退だね


俺はジャンプして包囲を抜けて逃げ出した


まったく 軍隊蟻の魔物って


軍隊蟻の魔物はB級の魔物で1匹でも強いのだ

しかし 経験値とお金は多くない

戦いたくない魔物なのだ


俺は倒した蟻の魔物とお金の回収は諦め

とにかく 逃げ出した


くそぉ~

軍隊蟻って 巣を作らないんじゃないのか

なんで 蟻の魔物と仲良くしてんだよ

まったく



俺はみんなに追いつき

全力で逃げることと 

今日でレベル上げを終了することを告げた

村に戻っても毎日 稽古するようにと言うと


「はい ありがとうございました」


全員が声を揃えて そして 頭を下げてきた


「それより 逃げるよ」


ピンチなのに……


みんな 笑いながら逃げ出した

何も出来なかった弱い女性達は

もうここにはいない


B級の魔物の大軍が来ると言っても

みんな笑顔で走っている


食べる物がなくて

身を売ることしか残されていなかった女性達は

もうここにはいない


俺は軍隊蟻の魔物にビビっているのに

女性達の顔はみんな明るい


自分達は無力だと

すぐに絶望する 

すぐに諦めてしまう女性達は

もうここにはいない


百英雄と共に各地の魔物を倒して回る強い女性達が

ここにいた

彼女達はこれから強くなっていくのだろうか

世界を救うほどに

……


って


ティアが言いながら走っていた


他の女性達は笑いながら そうだね

と 

また 笑いながら 走っていく





森を抜けた時には 軍隊蟻の魔物から

完全に逃げることができた





夜 女性達が俺の所に集まり

何かお礼をさせてくださいと言ってきたが

既に みんなには お礼はしてもらっている


う~ん


それなら


ちゃちゃは黒 ばにらは青 ちょこは緑の

ミニのワンピースを着ていた


お礼はワンピースを着てもらうことに決めた


ティアも青のワンピースを着てくれていた


うん 可愛い


そして このエプロン


もちろんフリル付きのエプロンだよ


最後はカチューシャだよね


みんな 可愛いよと言うと



    ご主人様ありがとうございます



お礼はこれだよね


……

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