第51話 石投げの ちょこ



イネスとクレスが用事があるそうなので


今日はちゃちゃ ばにら ちょことデートだ


中央通りを歩いていると


おっ


花屋に可愛い花が


「可愛い花ですね 何の花ですか」


「いらっしゃいませ どの花ですか」


もちろん 女の子を指差した


「この一番可愛い花の名前は」


「もう ナンパならだめですよ」


「え~ ダメ」


「だめですよ~ 仕事中なんですから お花を売らないと食べていけないんですよ」


「全部売れたら終わりなの」


「全部なんて 売れないよ」


「じゃあ 俺が全部買うから 王都を案内してよ」


「はぁ 冗談なら よそでしてね」


「ごめん ごめん で 全部でいくら」


「えっ」


俺は55万エンを払い全てを買って花束にしてもらい

ちゃちゃ達と 店の前を通りかかった人達に配って回った


花屋の女の子 アニカ 19歳 レベル1


店長から許可が出て 王都を案内してくれることになった

店長から特別手当てが出たのでお昼を奢ってくれると言ってくれたけど せっかくなので王都で一番美味しい店に案内してもらった

もちろん 俺の奢りだよ

魚料理の有名な店だが物凄く高いそうだ

近くに海なんてないので アイテムボックスに収納して運ぶか 凍らせて運ぶ必要があるので どうしても高くなるそうだ

まあ 大きいアイテムボックスを使える人はレベルが高い人なので頼むと高いよね

美味しかったけど5人で63万エンもしたよ

さすがに高かったよね

でも ちゃちゃが物凄く喜んでくれたので 

まあ いいよね

ちゃちゃの笑顔はそれだけの価値があるよ


俺達がアニカに冒険者だと言うと 近くに闘技場があるので見に行くことになった

参加することも 賭けることも出来るそうだ

アニカが1人空きがあるみたいだよっと言うと

ちょこが笑顔で手を上げた

おっ 参加したいのかな


係りの人に聞くと参加可能だと教えてくれた

危険は無さそうなので 

ちょこを参加させることにした


ちょこが出るのは下級クラス

他にも上級クラスと中級クラスがあるようだ


まず始めに 対戦相手が決まると

審判に試合で使う武器と防具を全て提出する


審判がレベルと武器と防具を公表して

賭けが始まる


対戦相手は2連勝中のレベル19の剣士

鉄の剣と鉄の鎧を装備するようだ


ちょこはレベル17と公表された

武器は鉄の剣と沢山の石 防具はなし 


賭けを見ると ちょこに賭ければ25倍に


おっ ちょこに賭けるしかないよね

俺はちょこに30億エン賭けた

すると俺が賭けた直後

ちょこの倍率が下がり3倍に

あっ そりゃそうだよね

まあ それでも凄いけどね さすが王都ってことかな

締め切りまでに ちょこの倍率は上がり

5倍になっていた

おおっ 大儲けだね


アニカに聞くと賭けの仕組みは単純だそうだ

倍率は

2人に賭けられた合計×0.9÷賭けた方の合計

だそうだ

賭けを締め切った時に1倍未満になると

賭けが成立しなくなるので

装備を弱くしたりして

再度 賭けがやり直されるそうだ


俺はセコンドの場所に入る

ルールは簡単 相手を倒した方が勝者

敵わないと思えば

用意されているボールをセコンドが投げ入れれば

負けを認めることになるそうだ


ミニスカート姿の可愛いちょこがリングに登場すると 会場は大盛り上がりになった


ちょこの武器は石と鉄の剣 防具はなし

石はアイテムボックスの中で

鉄の剣は背中に背負っていて手ぶらだ


「はじめ」


審判が叫ぶとすぐに

ちょこはアイテムボックスから石を取り出して

投げつけた


魔法で速度の上げた石の速度は速く


相手はまったく反応出来ずに……


相手は開始直後に1歩動けずに倒れた

額からは大量の血が


会場は静まり返ったが


「勝者 ちょこ」


審判が叫ぶと

会場は大きな歓声が鳴り響いた



ちょこは賞金1万エン

そして 次の対戦相手と戦う権利が与えられた


俺は30億エンが150億エンに

一瞬で120億エンかぁ さすが王都だね

娯楽も少ないので賭ける人も多いのだろう

エンは持ち運びに苦労しないので

全財産を持ち歩いている人も多いみたいだしね


ちょこにまだ戦うのか聞くと

頷いたので連戦することにした


次の対戦相手は

レベル23で鉄の槍 防具は鉄の鎧

ちょこは また石と鉄の剣を提出した

もちろん俺はちょこに150億エン賭けた


倍率は1.1倍に

うわぁ さすがに低くなるよね

しかし どんどん上がっていき

締め切られた時には3倍になっていた

よし また大儲けだね


また開始直後に相手はその場に倒れ

額からは大量の血が


「勝者 ちょこ」


すぐに歓声が鳴り響く

さすがに目立ち過ぎかな

う~ん この際だから とことん行くか

それに俺が大金賭けているなんて誰も知らないだろうし

まあ 受付の人の口が軽かったら……


俺は ちょこに手を振りながら

リングを回るように指示を出した

すると再び大きな歓声が鳴り響いた


ちょこは賞金3万エンを受け取った


次の対戦相手はレベル24 杖とローブとマント

そういえば 魔法使いと戦うのは初めてか

俺はもちろん ちょこに450億エンだ


しばらく1倍未満だったが

締め切りまでに

倍率は1.8倍に


結果は もちろん同じ

魔法なんて使う暇ないよね


「勝者 ちょこ」


ちょこは審判から勝ちの判定を言われると

すぐに笑顔で手を振りながらリングを回った

ちょこは可愛いから物凄い声援だね

これくらいサービスしないと

試合はすぐに終わってるから申し訳ないしね


ちょこは賞金10万エンを受け取った

次の試合が最後になるので出て欲しいと言われたので ちょこに聞くと頷いた

すると ちゃちゃがちょこに何かを渡して話をしている

見るとただの石だった

何かの作戦かな 違いがわからないけど……


ちょこは審判にちゃちゃから貰った石と自分の沢山の石を提出した

鉄の剣は提出しなかったようだ


今度の対戦相手は

レベル29 鉄の剣 鉄の鎧 鉄の盾

そして鉄の兜だが鉄のマスク付きだ

どうやら ちょこの石投げ対策をしてきたようだ

もちろん俺はちょこに810億エンを賭けた


賭けた直後はしばらく1倍未満だったが

今日最後の試合ということで

どんどん上がっていき 

最終的には1.9倍になった


「はじめ」


開始直後に ちょこはまた石投げだ

相手の顔面に当たったが

相手には鉄で出来たマスクがある


しかし相手は倒れた

倒れて のたうち回っている

そこに 容赦なく ちょこが石を次々に投げていく

もちろん 装備のない足や腕を正確に狙って


対戦相手は悲鳴を上げているが

ちょこは可愛い笑顔で 次々に投げていく

むごいな

まあ 手加減しているんだろうが……


ようやく 相手のセコンドがボールを投げ入れた


「勝者 ちょこ」


会場からは今日一番の大きな歓声が鳴り響いた


ちょこが最初に投げた石は砕けやすい石だった

鉄のマスクに当たり 砕けた石が

目の部分から入ったのだろう

ちゃちゃは対戦相手が対策してくると読んでいたようだ

セコンドは俺じゃなくて 賢いちゃちゃの方がよかったかもね


ちょこは賞金30万エンを受け取った

アニカは興奮しながらちょこを褒めていた

君は出ないのって言ってきたので

俺は強すぎるからね

って言うと疑いの目で見られたよ


俺が賭けてた額は言ってないが

ちょこの賞金が手に入ったので

5人で食事に行くことにした


アニカに何がいいのか聞かれたので

肉や魚が描かれた本をちゃちゃ達に見せると

ちゃちゃは魚 ちょことばにらは肉を指差した

今日はちょこが頑張ったので肉にするねっと言うと

ちゃちゃは素直に頷いてくれた

しばらく魚の絵を見ていたが……

よほど 昼間に食べた魚料理が美味しかったのかな


海のある国か

虎の亜人を手に入れたら東の海のある国に行くのもいいかもね


アニカに聞くと

昼間に食べた魚料理は貴族等のお金持ちの料理で

普通の人は魚の魔物を食べるそうだ

魔物なら安くて気軽に食べられると教えてくれたので 肉を食べてから 魚も食べることにした

ちゃちゃには好きな物を食べて欲しいからね


一軒目は分厚いステーキがオススメの店だった

美味しかったので1人2枚づつ食べたが魔物の肉だったので安かった

二軒目の魚料理屋では片っ端から1品づつ頼んで皆で少しづつ楽しみながら食べた

もちろん ちゃちゃが美味しそうに食べていたものは 持ち帰りように沢山注文したよ

俺はシンプルに焼いただけの脂が乗った秋サバみたいな魚?魔物が美味しかった

魔物の方が小骨がないので3人には良かったみたいだ

俺も味覚オンチなので魔物でも

まあ どの魔物なのかは見たくないけどね



ちゃちゃ達をクレス達の屋敷に送り届けて


俺はアニカと

……

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