第46話 2人と



森を出てから魔物は出てこない


俺達は順調に進んでいく


王都まで見晴らしのいい平地が続くそうだ



森を抜けてから5日目

待ち構えている人達がいるのが見えた

もちろん盗賊だ

数が……50人くらいかな

まあ 我らが弓部隊に掛かれば楽勝だろう


「相手は50人くらいだから1人10人で大丈夫だね」


近づいてから矢を放つつもりだったが

ちゃちゃがすぐに矢を放った

距離は500メートルくらいあるが 命中

さすが ちゃちゃ

しかし ちゃちゃの弓の凄さが分かってしまい

盗賊達は全力で走って向かってくる


次々に矢が命中して盗賊達は倒れていくが


数が多い 

500メートルの距離を全力で走ってこられたら

全て矢で倒すのは無理だよね


「イネスとクレスは休憩」


ええって言っても 俺に当たると嫌だからね


俺は朱殷の杖を持ち 突撃だ


そして いつもの


「土人形召喚」


巨大なゴーレムを出し 盗賊達の上空から拳を振り落とす

それに合わせて杖で殴ったり 岩を投げたりして倒していく

もちろん 足止めなので倒さなくてもいいんだけど

俺も活躍したいからね

足さえ止めてしまえば 矢の餌食

次々に盗賊達は倒れていく


ちゃちゃ達の前で 鋼の戦士のイネスとクレスが剣を構えているけど……出番はないだろう


勝負はあっという間だったので イネスは物足りなさそうだけど……

剣と剣の接近戦は心配だからさせたくないんだよね


生き残った盗賊は23人

俺が杖や岩で倒した盗賊達だ

ちゃちゃ達は矢で顔を狙っていたからね


アジトの場所を聞くと この盗賊達もルーク盗賊団だった

この部隊のアジトは本拠地とは別にこの近くにあるらしい

そして王都までの道の間に他にも2つアジトがあり

別の部隊がいるそうだ

次いでだから 潰そうかな

どっちにしろ こんな目立つ団体なら襲ってくるだろうし

盗賊の死体46体を回収してアジトに向かう

ボスのルークが死んだことが分かると動揺していたが 亜人の女性や獣人の女性に見覚えがあったみたいで全員すぐに信じた

まあ ボスの装備を出してもよかったんだけどね


アジトには弱いレベル30未満の盗賊が2人いたが

鋼の戦士のイネスとクレスを見て戦わずに投降したよ

やはりレベルの差20は絶望的なのだろう

ここには奴隷にされた女性が8人いた

価値のある物を全て回収して

王都への道に戻り野宿をした

やはり見晴らしのいい場所の方が安全だろう



森を出て16日目 王都が見えてきた


王都の方から馬に乗った兵士達が30人くらい向かってくるのが見えたが


まあ この状況なら仕方ないよね


盗賊を101人連れて 奴隷にされた女性が75人もいるからね


やはり すぐに事情を聞かれていたよ

もちろん リーダーのイネスがね

すると 兵士が20人残ってくれて

王都まで護衛してくれることになった


ルーク盗賊団には王都でも手を焼いていたそうだ

ボスは強く そして数が千人以上いると言われていたらしい

さすがに それは無いと思うけどね

護衛に残ってくれた兵士達はイネスとクレスを褒め称えていた 

きっと 王都に着くと英雄扱いだろうね


やはり 王都に入ると俺達を一目見ようと大勢の人が集まっていたよ

って誰から聞いたんだ

知っているのは兵士だけなんだが……

口が凄く軽いみたいだが……いいのか


門で盗賊と奴隷にされた女性達を預けてすぐにギルドに向かうことにした

俺達は集まっていた人達に手を振りながら進んでいく

本当なら あまり目立ちたくないんだけどね

盗賊の残党や他の盗賊団も見ているだろうし

護衛してくれた兵士がそのまま ギルドまで案内をしてくれた


王都だけあって ここのギルドも大きい

受付が5つ合ったので

もちろん 綺麗な女性の列に並んだよ

でも

残念ながら邪魔が入ってしまった

ギルドマスターだという おじさんと話をすることに

はぁ~ あの受付の女性は可愛いかったのに


ルーク盗賊団には ボスのルーク以外にも

強い5人の盗賊がいると言われたので

死体を全て出して確認してもらうと5人ともいた

この額に刺さった矢の痕は

5人とも ちゃちゃが倒したのだろう

イネスとギルドマスターの話が終わるのを待って

全て買取をお願いして

明日お金を取りにくることにした


すぐに宿を探そうと思っていたら

イネスとクレスが実家に泊まることを薦めてきた

実家だとねぇ~ う~ん ほら あれだから

と俺が言うと

クレスが私の部屋なら大丈夫だよっと言ってくれたので お邪魔することにしたよ


なっ

着くとそこは大きなお屋敷だった

すぐに綺麗なメイドさんが3人も出てきて迎え入れてくれた

イネスとクレスのレベルに気づいた人は声を上げて驚いていたよ

まあ 鋼装備を着ているからね


それにしても2人がお金持ちだったとは

たった2人でお店をしていたから

勝手に一般家庭か それとも……

イネスとクレスは15人兄弟姉妹だそうだ


貴族の料理がどんな物なのか興味があったので

楽しみにしていたけど……

クレスが作ってくれたよ

嬉しいけどね 美味しいし でもね……


今日でクレスとイネスとお別れか

まずはクレスからお別れの挨拶に


するとイネスも一緒にいた

2人からお礼を言われて

そのまま話をすることになった

旅に付いて行きたいと言われたけど

断った

迷ったけどね


俺がそろそろ寝ようかって言ったけどイネスが部屋に戻ってくれない

う~ん どうしようか

そうだね

俺がイネスにトイレは

って聞くと

ほっぺをつねられたよ

クレスは懐かしいねって笑ってたけどね


俺が2人を抱き寄せて

いいと聞くと

イネスは真っ赤な顔をして無理よって

クレスはいいよって言ってくれた

イネスはそれを聞いて唖然としていたけど

俺が抱きしめてキスをすると受け入れてくれた

クレスともキスをして

そして

……

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