第37話 護衛



朝の稽古前に3人の体力と魔力の測定をした

ちゃちゃの体力は70%まで回復していた

大丈夫みたいだね

ばにらとちょこは2人とも100%

走って進んでも問題ないようだな

まずは筋トレからだ

ばにらとちょこの戦い方に合わせた稽古をする必要があると思うけど……

とりあえず 木の剣で素振りでいいかな


ちゃちゃが2人の横で素振りをしながら教えている

よく3人で話してるけど 話は通じてるのかな


「ちゃちゃって 犬の獣族の言葉が話せるの」


ちゃちゃは首を傾げた

あれっ 違うのか 逆なのか ばにらとちょこが猫の獣族の言葉を いや そもそも


「ちゃちゃ もしかして 猫の獣族と犬の獣族の言葉って同じ」


ちゃちゃはコクりと頷いた

おおっ そうなのか それなら


「他の獣族も同じかな」


ちゃちゃは またコクりと頷いた

そうなのか ってことは 人だけが違うのか

獣族を仲間にすると 獣族には話し相手がいないので可哀想だと思っていたが……逆に俺の話し相手がいないのか

まあ 俺は街に行けば問題ないが



休憩を多く取りながら走って セルリの街を目指す

魔物に1度も遭遇することもなく

俺達は4日目のお昼前に セルリの街に到着した

俺は4人分の入街税を払ってセルリの街の中へ

クレスとイネスは この国に家があり この国の住人

税金を納めているので冒険者の俺達とは違い

入街税はいらないそうだ



師匠を呼ぶ前に買い物だな

その前に宿をとるか

宿は前払いしておけばいいだろう

う~ん どうしよう

部屋は何部屋に

皆 バラバラの6部屋でいいのか

まずは俺の部屋 そしてちゃちゃの部屋

ばにらとちょこは一緒がいいのかな

クレスとイネスもそうかな

皆に聞くと 問題なさそうなので4部屋にした


後は買い物だな

残りの金は2千2百万エン

師匠は仲間の金まではとらないから

ばにらとちょこには小遣いとして5百万エンづつ持たせておけば……

ほんとは 全部預けたらいいと思うけど……

ずるはよくないよね 師匠にも考えがあるだろうし

残り千2百万エン 指輪が2つで4億だから どうせ借金 今のうちに使っておかないと


クレスとイネスにも何でも買ってあげるよっと言って 6人で買い物を楽しんだ



夕食を皆で楽しんだ後 師匠に連絡するとすぐに転移してきた


「おひさしぶりです」


「んっ 新しい仲間は犬の亜人2人に 人が2人か」


「えっ 違いますよ こちらはクレスとイネス 俺の恋人ですよ」


「そうか じゃあ 認識阻害の指輪は2つでいいんだな」


「はい」


「それじゃあ 2つで5億だな 足りないなら いつでもいいからな」


おいおい どういう 計算だよ


「師匠 1つ2億ですよね それなら」


「そうだが 今回はおそろいの指輪にしたからな デザインを少し変えてみた だからセットで5億だ」


なんだそれは っていうか 魔法か何かで 今ちょこっとしただけで 1億って


「普通のでお願いします」


「心配するな いつでもいいからな 手持ちは 少ないな 9百万エンか じゃあ 残りは4億9千百万エンだな」


「選べないんですね まあ そうだと思いましたが

そうだ 師匠 ちゃちゃが剣の魔法を使うと魔力ではなく体力が減ってるんですが」


「それは剣技だろ 前に言っただろ 体力が減るって 馴れれば消費量の調節が出来るようになるから 練習あるのみだな」


えっ 聞いてないよな 絶対にいい忘れだろ


「言ってましたか」


「はぁ お前はいつもそうだな

ぼぉーっとして 聞いてなかったんだろ

で 次は何の獣族を仲間にするんだ」


「え~と 東の国に行けば たしか虎の獣族でしたよね

う~ん 金髪の亜人の可愛い子っていますか

紫 赤 青 ピンクも捨てがたい」


「数は少ないだろうが獣人ならいるだろうな 亜人なら確率は物凄く低いと思うぞ そもそも獣族の99.9%以上が獣人だぞ 亜人は0.1%以下 珍しい髪の色で可愛いとなるとな」


「なるほど まあ 髪や瞳の色より可愛さ優先ですからね

そうだ ドワーフって どこにいるんですか」


「装備を頼みたいなら 3箇所だな

1つ目はドワーフ王国 獣族の領域のずっと北の方にある いくつかの獣族の領域を越えていかなければ行けない

2つ目は人の国で奴隷になっているドワーフだな たしか この国の南の国 その国の南東の国だったかな ドワーフ自治区がある ドワーフは王の奴隷として高い地位が与えられて一定の条件はあるだろうが自由に生活している

3つ目はわかるだろ」


「はい 誰かさんが保護しているドワーフに頼むとぼったくられるんですね」


「お前の亜人を1人くれるなら どんな装備でも頼んでやるぞ」


「はぁ だから そこには頼みませんよ まったく」


「じゃあ そろそろ行くぞ」


「おっと そうだ 師匠 帰るついでに転移でクレスとイネスを王都まで送ってくれませんか」


「何を言っている そんな面倒なことを お前が送ってやればいいだろ どうせたいした目的がないんだし

そうだな そうしろ その2人を連れて オルレンの森を進んで王都を目指せ 護衛イベントだ」


「嫌ですよ そんな危険なこと」


「それいいね」


「うん 私も送ってほしい」


うっ イネス クレスまで


「決まったようだな じゃあな」


「無責任なって」


師匠は転移していなくなった

はぁ まったく 

イネスとクレスもその気になっているじゃないか

どう考えても危険だろ

しかし何度も言っても

危ないからダメだって言っても ばにらとちょこも同じレベル1だからって諦めてくれなかったよ う~ん



今夜はじっくりと説得しなければ

諦めてもらうためにイネスを部屋に


イネスは可愛い


そんなにお願いされると


そりゃあ まだ 一緒にいたいけど


俺はイネスに


キスをされて口を塞がれた

……





イネスがダメならクレスを説得だな


そんな可愛い顔でお願いしても


好きだよ

……

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