第22話 カヤハの森06
朝食を食べてから俺達はダンジョンを後にした
俺がキマイラ退治をすると言うと誰も反対しない
アリアが近づいて来て 俺のお腹をつねってきた
「痛いよ アリア」
俺が言うと 小声で
「みんな 知ってるのね まったく 何が2人だけの秘密よ」
って
やはりバレてしまった
そりゃ 誰も反対しないなんて おかしいよね
移動中に出てくる魔物との戦闘にちゃちゃも参加させることにした
ちゃちゃの装備は防御0の可愛い服で しかもミニスカートだったので ちゃちゃを拐った時に着ていた高級そうな服を着てもらうことにした
よくわからないが防御力が高そうな感じがする
メリナがその服を見て首をかしげた後に鑑定してもいいと聞いてきた
俺がいいよと言うと何かの玉を取りだして ちゃちゃの服を見ていた
そして 興奮した顔で
「やっぱり 獣族の装備だったのね 普通じゃ鑑定出来なかったけど 凄そうだって思ったのよ この装備はS級よ これはどこで手に入れたの ねぇ わかってるの?A級が国宝級よ S級はそれ以上なのよ」
おおっ そうなんだ って ちゃちゃは……
う~ん 関係ないか ちゃちゃはちゃちゃだよね
ちゃちゃは可愛い それでいい
「可愛い ちゃちゃに似合うただの服だよ」
俺が言うと
はぁ~とため息をついて S級なんて着ている人初めて見たわよ ってA級も見たことないんだけどねって
う~ん まずいのかな 目立つのかな
メリナに聞いて見ると獣族の装備は普通の鑑定では何も表示されないと教えてくれた ギルドで表示を人用に登録し直せば 鑑定出来るようになるそうだが
まあ 見る人が見たら凄い装備だって分かると思うけどねって……
やはり 人前では装備しないほうがいいみたいだな
上位の装備は自動調整機能が備わっていて 自動で使用者のサイズに合うようになっているそうだ
それに装備が傷ついても汚れても 自動に修復する機能が付いているそうだ
C級以上 もしくは1千万エン以上の装備ならだいたい付いている機能で
エン道具の機能か魔道具の機能だそうだ
装備のダメージが酷い時はエンか魔力を補充してやれば修復出来ると教えてくれた
ちゃちゃの服は って聞くと
メリナがまた玉を取りだして ちゃちゃの服を見て驚いた顔になった
S級って凄いのね これは魔道具の機能が備わっているけど 魔那を自動で吸収してエネルギーに変換出来るみたいよ って教えてくれたけど……
俺が魔那って何だっけと聞くと
また はぁ~とため息をつき 魔那とは空気中にある大地の魔力と言われているものよ と教えてくれた
う~ん よくわからなかったけど……凄い服 じゃなくて凄い装備ってことだけは 何となく分かった
やっぱり普通の装備を買ったほうがよさそうだな
とりあえず この森を抜けるまではいいとして
う~ん ふわふわのミニスカートのちゃちゃも捨てがたいよなぁ~
話を聞いていたアリアが刀を抜き この刀もエン道具の機能が付いているのよ 刃こぼれ等も自然に修復してくれるの 酷い場合は鞘におさめて エンを補充すれば修復も速くなるのよ って嬉しそうに自慢してきた
そう言えば B級装備って言ってたっけ B級くらいの装備をちゃちゃに買ったほうがいいのかな……
移動中に出てきた魔物は7人で戦った もちろん俺が見学 俺の護衛をしてくれなくなったので 話し相手がいなくなって暇に
大狼や大猿等の格下の魔物なら ちゃちゃも余裕だった
格上の虎の魔物が出たので ちょっと心配だったが アリア達がきちんとサポートしてくれたので問題なく倒せた
東に進み 次の日
前と同じ場所でライオンみたいな魔物 キマイラを発見した
6人で離れた場所でちゃちゃを守って欲しいとお願いして 俺は1人でキマイラに向かって行った
誰も反対する人はいなかった
皆からなるべく見えない位置まで移動して投石紐を使って石を放つ
幻影で作った半径1㍍の光の玉で俺の体を包み 万が一見られても魔法を使っているように見えるようにした
更に魔法の感じを出すために適当な魔法っぽい名前を叫びながら戦おうか迷ったが離れているので止めた
無駄に叫んで居場所がバレても意味がないよね 幻影は声や音が出せないし
放つ度に場所を変えて 位置を特定されないようにしたつもりだったが 4発目が命中したとき キマイラがこちらに真っ直ぐ向かってきた
くそぉ~ もうバレたのか それなら
幻影の5人の俺がキマイラに炎の魔法を放ち向かえうつ
俺は場所を移動して投石紐を使って石を次々に放っていく 幻影の俺達はキマイラの攻撃を素早くかわし続ける
まあ 当たってそうだけど 幻影だからね
う~ん やはり強いか 狒狒の魔物と同じくらいなら……
俺は密かにキマイラの側面に回り込み鉄球を次々に投げつけた
鉄球の威力は凄いが後で回収するのが面倒だ 人前で使うのも……
キマイラは悲鳴をあげながら 幻影の俺達に向かって尻尾を振り回した
いや 尻尾ではなくて 蛇なのか 幻影の俺達に噛み付こうとしている
俺は幻影の炎で身を隠し ジャンプしてキマイラの上空から2本の大きな氷柱を投げ落とした
氷柱が刺さり キマイラは大きな悲鳴を上げたが……まだ倒れない
んっ
いきなり突風が吹き
うわぁあ~ なんだ この風は
俺は吹き飛ばされてしまった
なっ
キマイラに翼が生え こちらに飛んできている
う~ん 突風はキマイラの魔法なのか
俺の幻影が消えてしまった
全体魔法だったのかな……仕方ない迎え撃つか
俺は朱殷の杖を取り出した
俺が再び幻影で5人の分身を作ると また突風の魔法を放ってきた
くそぉ~ 偶然じゃないよな
キマイラが魔法を放った後 目線があう
こちらの位置がバレている
幻影の俺達は風魔法を食らっても変化が無いことに気づいているのか
どうやら俺の幻影が見破られているようだね 俺の場所を確認するために全体魔法を使っているのか なかなか賢いじゃないか
なら
俺はキマイラ目掛けて全力で走る
キマイラは蛇の尻尾で俺を噛みついてきた
が かなぶり
俺は幻影の分身を出し その後ろから付いていき キマイラの攻撃のタイミングをずらした
そして朱殷の杖で思いっきり殴りつけた
ふらついたので 更に よし もう1発
キマイラが倒れた……がお金が出てこない
なぜ
次の瞬間 尻尾が鞭のようにしなり俺に攻撃してきた
おおっと
俺は目の前に巨大盾を出して 攻撃を防いだ
俺は盾を装備出来ないが持ちあげて収納することは出来る そして目の前に取り出すことが出来る
盾と言うより重くて分厚い鉄の板だが
俺はジャンプして 巨大盾を超えて 尻尾を朱殷の杖で殴りつけた
尻尾は いや蛇の頭は垂れ下がり地面についた
よし 楽勝だね
と思ったが……まだ お金が出てこない
し しぶとい いい加減にしろよなぁ
俺は警戒して朱殷の杖を構えると
キマイラの背中から長い角の生えた山羊の魔物の頭が出てきた
化け物め……
警戒しているがキマイラは動かない
山羊の魔物の顔はこちらを見ているが……
んっ もしかして動けないのか
俺は近づき山羊の魔物の頭を朱殷の杖で思いっきり殴りつけた
しかし反撃してこない 胴体も動かない
う~ん 体はライオンの魔物が 尻尾は蛇の魔物が動かしていたみたいだけど……この山羊の魔物は何を…… まあ いいかぁ
俺が近づき山羊の魔物の頭を更に2発殴ると頭が垂れ下がり キマイラからお金が出てきた
ふぅ~ 後は回収だね
俺がキマイラを倒して皆の元に戻って報告したけど 誰も驚かずに ため息をついて呆れた顔をされた
リリが俺の横に来て 小声で
ちゃちゃちゃんと同じでレベルの上がりがおかしいね
って言ってきた
リリには全てバレたのかな 追求はしてこなかったが……まあ 他の人にもバレてそうだよね
彼女達も一旦 街に戻ると言って俺達と一緒に東の街を目指すことになった
楽しい旅が始まった
今日は誰と……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます