第16話 山と山の間の冒険



街に戻る途中で魔物が出てきたが俺が全て倒した ちゃちゃはレベル上げの方法を理解して 俺から離れずに邪魔にならないように動いてくれるようになった


街に着いたので 泊まる宿を物色 俺は高そうな宿に心惹かれた あの山に…… 絶対にここだな 盗賊のボスぽい奴が4千万以上も持っていたし 今日はたっぷり稼いだから 贅沢してもバチは当たらないよね 


「すみません 2人ですけど 泊まれますか」


「いらっしゃいませ 大丈夫ですよ ベットはどうしますか 大きなベットが1つの部屋にしますか それとも2つのベットがある部屋にしますか」


「それじゃあ 大きなベットの部屋に君と2人で この子には1人用の部屋を」


俺がにっこり微笑みながら言うと 受付の子がジト目で俺を見ながら


「大きなベットの部屋を1部屋ってことでいいよね」


「空いてないんですか」


受付の子は呆れた顔をして


「空いてるけどね からかわないの」


「良かった~ 君の予定は空いているんだね じゃあ一緒に食事でも」


受付の子はちょっとむっとした顔をして口調もキツくなり


「空いているのは部屋よ 私は仕事中なの それにここは結構高いのよ 今空いている大きなベットの部屋で5万エンもするのよ まあ 君はお金持ちのお坊っちゃまみたいだけどね」


俺とちゃちゃの服を見て判断したのだろう


「お金なら心配いらないよ これでも自分で稼いでるんだ 一流の冒険者なんだ」


「え~と レベル21 その子がレベル11 この宿はね D級の上級冒険者でもめったに泊まらないのよ E級とF級の冒険者には厳しいのよ でどうする」


「えっ 大きなベットの部屋とこの子の1人用の部屋で あっ この宿って安全だよね この子1人でも大丈夫かな」


受付の子は呆れた顔して はぁ~と ため息をつき


「安全だよ それより本当にいいのね 8万エンだよ」


「うん お願い」


「まったく お金持ちなんだね この宿は安全だけど 最近街の周辺で盗賊が出るから注意するのよ」


有名な盗賊だったのかな う~ん


「盗賊って倒してもいいんだよね」


「無理だから ダメよ絶対に 鋼装備の盗賊が頭をしているのよ 君達じゃ 絶対に無理だからね」


世間知らずのお坊っちゃまと思われているのか本当に心配そうな頭で言ってきた たしか 鋼装備だったような……そうだ鋼装備が装備できるようになるのは


「レベル50以上ってことだよね う~ん そうだ そいつを俺が倒したら 一緒に食事してよ」


「もう 私の話を聞いてなかったの」


「だったら いいよね」


「はい はい いいわよ でもね 無理しちゃダメよ」


「やった~ じゃあ 食事は何時からにする」


「えっ」


「君のために倒してきたんだよ」


「えっ え~と 何を きゃっ」


俺はレベル51だった盗賊を出した


「ねぇ 鋼装備でしょ」


受付の子は驚ろき そして呟いた


「トッマーソ」


「あれっ 知ってるの」


「それゃそうよ 指名手配の盗賊よ ほらっ これを見て この盗賊の似顔絵が出回っているのよ お客さんに似顔絵を見せて注意するように言われてるのよ」


「じゃあ いいよね 食事は何時からにする 俺達は風呂に入って部屋で待つけど」


「う~ 2時間後で」


宿の受付 フィオナ 24歳 レベル1 黒髪のショートカットで背が低いが胸は凄く大きい なにより可愛い



風呂から上がり大きいなベットの部屋でのんびりくつろいでいたら 私服に着替えたフィオナが他の従業員と一緒に3人分の料理を運んできた


3人で食事を食べて会話を楽しんだ


「ちゃちゃ 寝るのは別の部屋って言っただろ」


ちゃちゃは眠そうにしているが俺の背中にしがみつき放れない


「ふっふっ 好かれているのね ちゃちゃさんも一緒でいいんじゃないの お話するだけなんだから」


フィオナが意地悪そうな顔で言った


「う~ん そうだけどね」


「だよね ふっふっ」


ちゃちゃが眠ったので 俺とフィオナはちゃちゃの1人用の部屋に移動して眠ることにした





目を覚ますとフィオナと目が合う そしてちゃちゃが反対側の横に


「フィオナ おはよう ちゃちゃはいつ」


「おはよう さっき来たばかりよ 大きいな部屋がもったいなかったわね 私はもうすぐ仕事時間になるから行くね」


「うん 頑張ってね」


フィオナが俺にキスをして部屋を出ていった すると ちゃちゃが抱きついてきた う~ん せっかくだから大きいベットで寝るか





お昼寝前に宿を後にして ギルドに向かった ギルドのおじいさんに盗賊について聞く


盗賊は生きて捕らえればギルドで奴隷として買取してくれるそうだ 盗賊の装備やお金 持ち物も全て倒した人の物になり 強い盗賊や凶悪な盗賊には懸賞金がついているので殺した場合は死体を持ち込めば懸賞金を受け取ることが出来るそうだ


俺が盗賊を倒したと言うとギルドのおじいさんは驚いたが死体を出すと 


「これは大猿に殺られたんだな 小僧は運がいいな 4人に懸賞金がついてるぞ こいつらの装備も小僧の物になるぞ」


確かに大猿の魔物が倒したんだけどね まあ俺の物になるならいいけど 盗賊の装備品は使いたくないので全て買取をお願いした ついでに魔物の買取もお願いした 次々に出すと ギルドのおじいさんは驚いたが いつも通り 俺の呼び方がお坊っちゃまになった


懸賞金はボスが200万エン 他の3人が合わせて50万エン


盗賊の装備品が全部で185万エン 装備は沢山あったが壊れて使い物にならない物が多かった ボスが装備していた鋼装備の買取は100万エンだそうだ


う~ん ボスが持っていたお金に比べたら安いような


俺の顔が不満そうに見えたのか ギルドのおじいさんが 盗賊退治はアジトを見つけると金になる 探しに行くといいぞ ボスが死んでいるので楽勝だろうと教えてくれた


俺が興味がないと言うと アジトを放置出来ないので お坊っちゃまが行かないなら手柄をギルドが貰うことになるぞと言われたので 任せた お金には困ってないし 盗賊のアジトって男臭そうだ 残党を捕まえてギルドまで連れて歩くなんて面倒だしね


ギルドはこれからすぐに冒険者を集めて盗賊を一掃するそうだ ボスが死んでいるので楽でお金になる美味しい依頼なのですぐに人が集まるそうだ 


用事が終わったのでギルドを出ようとすると 1人の男がギルドに慌てて入ってきて叫んだ


「大狼の群れが街の側まで 強制依頼を」


ギルドの職員達が冒険者を集めるために飛び出して行く 

強制依頼かぁ でも俺は弱いので関係ないかな 

ギルドのおじいさんと目が合うとお坊っちゃまも参加だと言われた 魔物はD級の大狼なので E級の俺は街の外での戦闘に参加しなくていいが 万が一 街に入って来たときに街の人を避難誘導するようにと言われた 報酬は3千エン それと参加した冒険者は食事つきの安い宿に無料で一泊出来るようだ

 3千エンに安宿かぁ まあ 初めての強制依頼だから頑張ろう 

俺は安全そうな街の中心で待機して待つように言われたが……暇だ ちゃちゃと2人で素振りをしながら待つことにした 何事もなく時間が過ぎて 日が沈みかけたころ ギルド職員が俺のところに来て


「依頼終了だ ありがとう ギルドで報酬を受け取ってくれ」


そう言って すぐに立ち去って行った 

終わったのかぁ 初めての強制依頼だったけど……


安宿にただで泊まれるけど……う~ん やはり 向こうの宿のほうがいいよねって ちゃちゃに聞くとちゃちゃが頷いた ちゃちゃのためにフィオナのいる宿に泊まることにした 今日も2部屋をとり ちゃちゃとは別の部屋で寝る 明日から ちゃちゃと2人だから 今日はフィオナと2人にしてくれとちゃちゃにお願いすると しぶしぶだが理解してくれた 聞き分けが良くて助かる 明日からはちゃちゃと……大きなテントや陣幕を買ってから街を出よう 


3人で食事をして しばらく3人で過ごし


「ちゃちゃ 眠たいんだろ 部屋に戻って寝ていいよ」


ちゃちゃは目を擦りながら部屋を出て行った



今夜は大きなベットを有効に使うことが出来た

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