第3話 はじめの街



「ほぉ もう戻ってきたのか んっ 仲間は まさか 1人であの森に入ったのか……あまり無茶はするなよ ただでさえ冒険者の死亡率は高いんだからな」


俺の年齢とレベルを知っている兵は驚き そして呆れた顔をした オークとはレベル10以上の冒険者が6人で倒す魔物なのだ 俺にとってはオークは雑魚なんだが 転生者だとはバレたくないのであまり無茶は出来ない 


俺はお金を払い 払った証明書を受け取って門をくぐり中に入った


街は3メートルくらいの高い塀に囲まれている 街の名前はデーカ 中世ヨーロッパのような街並みで この街は石造りの建物が多ようだ 


入街税でお金を使い果たした俺は すぐに冒険者ギルトへ向かった 残り260エンでは何も出来ないからね 街にいるときくらいは宿にも泊まりたいし


冒険者ギルトは門からすぐの場所で大きな看板があったのですぐにわかった 中に入るとバーがあり ここで飲めるようになっていて 既に何人もできあがっている 奥に入ると冒険者用のカウンターがあった


「買取をお願いしたい それと安くてオススメの宿を教えてほしい」


「ここは初めて んっ ちょっと その帽子をとってみて」


受付はレイラ 18歳 綺麗で背の高い女性


「これでいい」


俺は素直に帽子をとった


「やっぱり 可愛い 何歳なの」


君のほうが可愛いけどね


「11歳だ」


「いいねぇ~ お姉さんがいろいろ教えてあげようか」


おおっ 魅力値を上げて貰った効果が


「お願いします」


俺は迷わずに答えた


「じゃあ この後で ふっふっ」


レイラは奥に入っていき 代わりにガタイのいい男の人が出てきた


「小僧 魔物の買取だそうだな そのレベルでアイテムボックスに魔物を入れているってことは 小僧は英雄の末裔だな ここに出してくれ」


転生者が無限に収納出来ることは知られている なのでレベルに関係なく大きな物を収納出来る人は英雄の末裔だと考えられているのだ


「ほう これは土魔法だな 全て一撃で倒しているな これなら 全てA評価だ 小僧の仲間にはレベルの高い魔法使いがいるんだな 恐らくレベル50くらいか どうだ」


得意気に聞いてきた


「外れですよ 全て俺の魔法です」


「ははっ レベル13の魔法使いがか まあいい そう言うことにしておこう 御坊っちゃま」


俺の高級そうなローブとマントを見て金持ちだと思ったのだろう それに魔物と戦ったり森に入ったなら 服が汚れるはずなのだ 俺のローブもマントも新品で汚れ1つないのだ 強い護衛付きだと思っているのだろう


俺は全て買い取ってもらい レイラと一緒にギルトを後にした 魔物は6万5百エンで買取して貰うことが出来たので街での食事も宿泊も数日は大丈夫だろう 


夕食はレイラの奢りで豚しゃぶを食べた 安くて美味しいのでよく食べるそうだ

美味しいが……少し独特な臭いが……出てきたお肉を鑑定するとオーク肉となっていた……豚肉じゃなかった さ 詐欺 食品偽装? レイラに小声で聞いてみると 豚肉は貴族等の金持ちの食べ物で 街の食堂で出てくる豚肉はオーク肉というのは常識らしい それなりに美味かったし 俺はグルメでもないので問題ないけどね この店は安い上にギルトからお肉を仕入れているのでギルト職員のレイラは3割り引きになるそうだ……癒着?


店を出て夜の街を2人で手を繋ぎ歩いた






レイラはまだ寝ていたが 俺は日課の朝の稽古をはじめた 習慣になっているし 師匠からもきつく言われている


「さっきから何の稽古をしているの?」


「最強の魔法使いになるためには毎日 稽古をしなくちゃダメなんだよ」


「ふ~ん 紐みたいなのを持って投動作や筋トレしかしてないみたいだけど……そんなことしなくても レベルアップすればいいんじゃないの?」


「基本が大事なんだよ」


俺は朝の稽古を続けた



「本当に1人旅をしているの?」


「そうだよ」


「う~ん レベル13で1人なら大変でしょ ギルトでパーティーを探して戦ったほうが安全で効率がいいと思うよ」


「心配要らないよ 俺は強いからね」


「ふっふっ 強がるのもいいけど また会えなくなるのは嫌よ 命は大事にね 冒険者の死亡率は高いんだからね」


「ありがと この街の近くに来る時は必ずレイラに会いにくるから心配ないさ」


……


「えっ」


「触らない」


「いいでしょ ねぇ お別れのキスくらい」


「ダメ 俺は装備を着たら 誰にもさわらせない 1人旅をしているんだ それくらいの注意するのは当然だろ」


さすがに触られたらマントやローブのことがバレるからね レイラならバレても問題ないと思うけど 


「もう また 会いに来てよ」


「ああ」


俺はレイラの部屋を後にした



レイラには基本情報をいろいろ教えてもらった 家を持たない冒険者の税については街に1度だけ1万エンを払えばいいようだ 次からは冒険者の登録プレートを見せると無料で入れる 冒険者が多いほど街の外の魔物は少なくなり 街には魔物の素材や肉が入る 街としては冒険者を無料でも来てほしいと思っているが 1文無しの実力のない冒険者に来られても意味がない 街の外で1万エンくらい稼げる冒険者でなければ


俺はとりあえず王都を目指している 王都はこの街から カウナ クレールの2つの街を越えた先にあるそうだ


師匠に転移で王都に送ってもらうことも出来たが……修行で倒した魔物のお金と素材等は全て師匠に奪われた 授業料だそうだが……弟子を1文無しで送り出すとは…… 


俺は少し離れた場所から この世界の街を見て回り そしてお金を稼ぎながら王都に向かっている


特に目的はないが……王都だけにある奴隷市場で仲間を探すのもいいかな……猫耳の……可愛い……



    仲間を求めて俺は旅をする



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