第14話 乱入、ダイノマフィア! その2
「何考えてんのよ、こいつら!」
ラプトルヴィランを冷凍光線で氷漬けにしていくレンズ。
「俺が知るかよ! やばい、腹が減って来たっ!」
カロリーブースターが、段々燃料切れになって来た所をラプトルヴィランが複数人で囲んで棍棒で殴打するっ!
殴打され、反撃もできずに倒れるカロリーブースター。
「ヒャッハ~! 死ね~~~♪」
止めを刺そうとするラプトルヴィラン、カロリーブースターの生命の危機!
「外道が! 許さんっ! くらえ、
ヴィランの蛮行にスクネが怒り、四股を踏むとラプトルヴィラン達だけが四股の衝撃で転倒した。
これがスクネに搭載されたギミック、
いかなる原理かは不明だが、狙った標的だけに地面や空気を媒介にして打撃からの衝撃波を叩き込む悪用されれば恐ろしいシステムだ。
「おお、助かった!」
ドラゴンブリードが、カロリーブースターの元へ駆けつけて起こす。
「……うわ、こいつはやばいな。病院へ連れて行かないとマズイっ!」
友の容体を見て、早めの治療が必要だと判断したドラゴンブリード。
「ちょっと、カロリーブースターは無事?」
レンズがドラゴンブリードへ叫ぶ。
「ヤバい、悪いが力華学園は棄権する! 棄権すればルールは関係ないな。
来い、ドラゴンドライバーッ!」
ドラゴンブリードの叫びに、天井の穴から青い龍が現れて巻き付き鎧となり
ドラゴンブリードの本来の姿へと変化する。
「病院へ運んでくる。レンズ、後は任せた!」
カロリーブースターを抱えて、ドラゴンブリードが空へと飛び上がる。
妨害し立ちふさがろうとするプテラヴィラン。だがそうはさせじと立ち向かう
男がいた、ミナカタだ!
「お前達に彼らの邪魔はさせん!
機械の拳が空を飛び回りプテラヴィランを殴り倒して道を開く。
「ありがとう、国防高専の人達!」
ドラゴンブリードは邪魔者がいなくなった空へ飛び去っていた。
ワイヤー部分を鋼の鞭として、地上のラプトルヴィランを打ち据えるミナカタ。
空を飛ぶ機腕は離れていても、彼の意のままにプテラヴィランを撃墜して行く。
一方、スクネやミナカタに比べるとカバネは地味だった。
「……くそ、ヨモツイクサが使えれば主将や先輩に良い格好させないのにっ!」
怨嗟を吐きつつ、八つ当たり的に地味に帯電クローでラプトルヴィランを気絶させて行った。
やがて、襲撃を仕掛けてきたダイノマフィアは学生ヒーロー達によって制圧されたのであった。
「ああ、これで私達の春の大会は終わりか」
レンズが残念そうにつぶやく、ドラゴンブリードの棄権宣言が受理されていたようで力華学園の成績は三回戦棄権と記録された。
仮面を脱いだ、スクネこと合力がレンズに寄ってくる。
「ご協力ありがとう、試合ができなかったのは残念ですが力を合わせて解決できて良かった」
緊張した面持ちで握手の手を差し出す合力に、レンズは優しくその手を握り返した。
「ええ、こちらこそありがとう♪」
レンズと合力の間に、何かの縁が生まれた。
ドラゴンブリードは、城北大学付属病院へと降り立った。
ニュータントを人間に戻す治療だけでなく、都内で負傷したニュータントを治療できる最上の病院といえば彼の知る限りこの病院だった。
カロリーブースターを担いだまま、救急搬送の受付へと急ぐ。
「すみません、急患です! 彼を初療室へ!」
すぐにストレッチャーを用意して駆けつけたスタッフ達により友が運ばれるのを確認すると、変身を解いて龍海の姿に戻り倒れる。
龍海もまた疲労で倒れた所を発見されて、初療室へと運ばれて手当てを受ける事になった。
ダイノマフィアの襲撃により東京ドームが破壊された為、全国高等学校ヒーロー競技大会は会場を日本武道館や有明テニスの森へと会場を分散して続行される事となった。
そして、ダイノマフィアのボスであるドン・ティラノはアジトを襲撃されていた。
「ギャ~~~ッ!」 「デ、デーモンブリード? ナンデ?」
手下の恐竜ヴィラン達が次々と殴り倒され、蹴飛ばされる。
「さ~て、恐竜どもは原始時代に帰って貰おうか? デーモンサンダーッ!」
山羊の角が特徴のマスク、悪魔の騎士と呼ぶに相応しい鎧を纏った男。
デーモンブリードが角から黒い電撃を放出し避ける間もなく電撃を浴びたヴィラン達は倒れる。
「デーモンブリード、てめえ俺らに何の恨みがあるってんだ?」
トリケラヴィランを盾にデーモンサンダーを防いだドン・ティラノが吠える。
「何の恨み? 息子のハレの舞台を邪魔された父親の恨みだよっ!」
ティラノサウルスの姿になり襲い来るドン・ティラノへ闇で出来た蝙蝠の群れを生み出し「デーモンバッツ!」と叫び蝙蝠を襲いかからせるデーモンブリード。
城北大学付属病院から連絡を受けた進太郎は、静かに激怒した。
監視カメラや目撃情報からダイノマフィアのアジトを絞りだすと自ら出撃。
そして、辿り着いた廃ビルで現在ドン・ティラノとの交戦に至る。
「息子が珍しく学生らしい事にやる気を出したと言うのに、貴様らは邪魔したばかりか賭けの対象にするなど言語道断! 父親の怒りを受けろっ!」
ドン・ティラノの顎を蹴り上げ天井の壁をぶち抜き空へと打ち上げて自身もそれを追い空を飛ぶデーモンブリード。
空中で、ドン・ティラノの頭を掴みその後頭部へ膝蹴りをし押しつけたまま地上へと落下しその恐竜頭をカーフ・ブランディングの要領で地面に叩きつけた。
「デーモン・ブランディング、刑務所で流動食暮らしをしろ!」
人間サイズに戻り、まだ息のあるドン・ティラノを拘束して到着した警察へ引き渡すデーモンブリード。
こうして、ダイノマフィアは壊滅した。
「あらあら、ダイノマフィアは壊滅♪ ギャンブルってこわいこわい、私は別の機会を狙いましょ♪」
新聞を読みながらセイラムの長のタバサは大会にちょっかいを出すのは止め、別の悪事を練り始めた。
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