第2話 はじめてのたたかい その2
「チィッキショ~~~~~~ッ!」
獲物をかっさらわれた蜘蛛男、鉄骨を爪で斬り落とすわクレーンを殴りつけて
破壊するわと荒れていた。
糸で器用に移動しつつ、鉄骨を破壊してビルを崩しながら下りて行く蜘蛛男。
蜘蛛男がビルから脱出したと同時に、激しい音を立ててビルは崩壊した。
「……これ、請求書はうちに来ないでほしいな」
近くのビルに止まったドラゴンブリードが、惨事を目撃して呟く。
怪人よりも請求書の方が怖い。
「見ぃぃぃぃぃつけたぞ、ゴラ~~~~~ッ!」
蜘蛛男のドロップキックを避けたドラゴンブリード、蜘蛛男が給水塔を破壊して
屋上全体が水浸しになる。
「手間が省けたよっ!」
ドラゴンブリード、その手から青白い電気を放ち床に着け更に放電する。
「アババババババババッ!」
蜘蛛男、電撃にしびれてのた打ち回る。
ドラゴンブリード、構えを取り蜘蛛男と間合いを詰める。
「行くぜ、ドラゴンチョップッ!」
受け継がれし武技、手刀を刀でなく斧や鎚のイメージで振り敵を打つチョップ技。
左右から繰り出される手刀が龍の
倒しはしてもまだ殺しはしない、敵には吐かせるべき情報があるはずだった。
電撃を受けた上に、強烈な手刀を受けた蜘蛛男は口から泡を吹いて倒れる。
「さてと、倒した怪人は対策室特製のダクトテープで素早く拘束すべしっと」
対ヴィラン用ダクトテープで、蜘蛛男の口と手足を縛りにかかるドラゴンブリード。
捕獲で済むなら捕獲、まず1回目は殺害ではなく捕獲と言う教育に従い拘束を終えるとドラゴンブリードは変身を解いた。
ソフトシェルジャケットとストレッチパンツと言う動きやすさ重視の姿に戻った少年
「対策室ですか? 赤星です、依頼達成したのでヴィランの回収をお願いします」
と連絡を入れる。
場所が場所なので対策室がヘリを飛ばして来るまで待機し、引き渡しが完了した所で「お疲れ様でした」と捜査員達に挨拶して龍海は戦場となったビルから跳躍。
背から蝙蝠の翼を生やし、龍海は空へ躍り出た。
だが、彼の上空に夜より暗い闇の穴が開き抵抗する事も出来ず龍海は穴へと
吸い込まれて行った。
吸い込まれた穴から出ると、そこは狼や人魚など異形のメイド達が並ぶ洋風の館の
玄関であった。
穴から落ちる龍海をぼにゅん♪と抱き止めたのは、水色の髪に金色の鹿の角が特徴の豊満なチャイナドレス姿の美女であった。
「お帰りなさい、たっちゃん♪」
龍海の母リーファである、胸と腕だけでなく尻尾も使い息子を抱きしめるリーファ
により龍海の意識は闇へと落ちていくのであった。
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