第5話 貧乏くじ男、当番清掃

 掃除は嫌いですか



「おい、お前俺の当番かわれ」


「え、やだよ」


「今日用事あんだよ」


「えー?なんだよ用事って」


「なんでもいいだろ」


「ふーん。とりあえず次の僕の掃除当番変わってよ」


「当たり前だろ、サンキューな!」



 他にも暇そうなやついただろ?なんだ僕なんだよ、なんて彼はふてくされながら掃除をする。彼は今回の主人公ではない。なぜなら用事に出かけた彼もふてくされながら掃除をしていたからだ。



「なんだって俺がやんなきゃいけないの?」


「当番だから」



 彼はちまちまゴミ拾いをしている。選ばれし少年。ウボンビ星に出入りできる数少ない特異体質の持ち主だ。地球の代替え星にならないかと期待されている星で、その掃除をしている。彼が拾っているのは星のゴミ。地球では見たことのない形と色のナニカだ。ふわふわした袋に詰めていく。彼は学ランのまま、ヘッドホンから流れる声と喋っている。ナニカだらけの中でも息ができるのはジークーという特異物質を他より多く持っているからである。全国の定期検診で特異体質者を見つけているのだ。



「そういや、俺みたいな人って当番制にできるくらいいるの?」


「いやまだ5人くらいしか見つかってないよ」


「皆こんなことしてるの?星の掃除」


「当番だってば。それにこんなことって極秘任務だよ?」


「これが?こんなの貧乏くじだよ」


「選ばれし運命の5人なのに?」


「じゃ他の任務は何?」


「極秘だからまだ言えない」


「ほらうさんくさい」

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