数学授業の討論

 今は数学の授業中。


 問題を考えている時間は騒がしくなるのがこのクラスのお決まりのパターンだった。

 またうるさくなった。


 あきれるのはただうるさいからではなかった。


「センセー、サンタクロースの映画をこないだ見たんですけど外国の話で分からなかったです」

「へぇ、何語?」

「多分英語です」

「俺英語苦手なんだよねー」

「俺もー」


 そう。数学の授業中はいつも何かしらの話題を男子が持っていき、先生もそれに答えてしまうという最悪の現象が怒ってしまうのだ。

 おかげで女子たちは集中できずに迷惑している。


「でもサンタクロースにあったとしてわけわかんない言葉しゃべってたらちょっと笑っちゃうかもね」

「じゃあ、変なプレゼントだったらどうします?」

「どんなの?」


 先生は自ら質問をする。


 ここは止めてよ! と、女子のだれもが心の中で突っ込んだ。


「先生! いつになったら答え合わせをするのかの討論をしませんか?」

「じゃあこれから討論会を始めまーす」


 女子が考え込んだこの質問の本当の意味は残念ながら先生に伝わることはなかった。


 この討論会数学の授業の終わりはいつになるのか。


 この討論はいつまでたっても終わらないだろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る