第4話

その後対策が話し合われた。


次の日の午前三時に長老、その次の日の午前三時に池下さん、また次の日の午前三時に私が自動販売機を見てまわることとなった。


三人同時に見ればいいのでは、と言う意見もあったが、長老の「毎日現れるのかどうか知りたい」という要望により、そういうことになった。


そして視察の結果は、その日の集会で報告することと。


それまではたとえ家族であっても誰にも言わないということが取決められた。



小さな公民館。


午後八時。


十人ほどの人が集まった。


長老はまだその姿を見せてはいない。


待っていると奥の小部屋の戸が開き、長老が顔を出した。


てっきり入口から入ってくるものだとばかり思っていたので、私にとってはかなり意外なことだった。


「では、早速」


長老がみなの前に座った。


「いたな」:


「女の人が」


と池下さん。


「ああ、いたな」


「どんな人でした?」


と飯田さん。


「自動販売機の前に立っていた。自動販売機を見つめながら」

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