俺のクラスの委員長にはツノが生えています。

叶望

第0話「俺のクラスの委員長にはツノが生えています。」

いつも通りやや遅めに起きて。

早く準備をしなさいと母親に急かされて。

授業には間に合う様に、けどのんびりと学校に向かって。

友人と他愛もない話をして。

昼食時の混み合う時間帯を避けて購買に通って。

退屈な授業に欠伸を一つ噛み殺して。


何の変哲もない学園生活をただ送っている。別に不満なんてない。

変哲がない=普通という事だが、普通万々歳。俺はただ平和にのんびり生きていけたらそれでよしなのだ。ただ、ただ一つだけ普通とは言い難い存在が俺のクラスにはいた。それが、


「あ、田中君。忘れ物?」


教室の扉を開けた先、一人だけ机に向かっているのはここ、1年3組委員長である小鳥遊 羊子。俺が絶賛、色んな意味で気になっている女子。

念のため、言っておくが、恋愛として気になっているのではなく、


「田中君?」


委員長の頭から生えているツノが気になっているだけなのだ。

そこは勘違いしないでいただきたい。

決して、その、恋愛とかではない…と思う。多分。

好奇心ゆえに、胸が高鳴っているだけなんだから…。きっと。

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